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3ヶ国間のスムーズな受発注システムを構築し、業務効率化

Phase One Japan株式会社 様

3ヶ国間のスムーズな受発注システムを構築し、業務効率化

世界中のフォトグラファーから絶大な支持を得る光学機器メーカー

Phase One Japan株式会社(以下Phase One Japan)は、デンマークに本社を置く視聴覚機械器具・光学器器具メーカー、Phase One A/Sの日本法人です。最先端の光学センサーを採用した高解像度・精巧さは、世界中で活躍するプロフォトグラファー達からも絶大な支持を得ています。近年では、その高性能が産業界でも採用されており、航空機を用いた空撮・測量、ドローンを用いた大規模構想物の精密点検、文化財修復・再建といった、様々な分野で活用されています。

選定理由

老舗カメラメーカーを買収し、製造ラインとサプライチェーンを日本へ移行

Phase Oneは、2015年11月に老舗カメラメーカーのマミヤ・デジタル・イメージング株式会社(以下 マミヤ)から光学事業を買収し、Phase One Japanの業務を開始。それを機に、Phase Oneグループ全体の最適化を図るため、製造ラインとサプライチェーン機能がデンマーク本社から日本へ移されることになりました。
社内システムは、マミヤの時代から、国産の会計ソフトや生産管理システム、Microsoft Access、Microsoft Office製品を利用していましたが、上記の理由からERPが不可欠にそこでデンマーク本社やイスラエル法人との連携を密にするため、本社が使用しているMicrosoft Dynamics AX※で統一することが、本社方針で決定しました。
日本の導入パートナーは、デンマーク本社と担当する現地パートナーが、Dynamics AXのグローバルコンソーシアムDynamicsPact*を通じてPBCにコンタクト。デンマークパートナーとの連携、本社とのコミュニケーションが必要なことから、外資系企業の導入に強みをもち、バイリンガル対応が可能なPBCに決定しました。
DynamicsPactは世界最大規模のMicrosoft Dynamics 365 Finance and Supply Chainに関するパートナーネットワークで、PBCはDynamicsPactの日本代表です。

※Microsoft Dynamics AXは、Microsoft Dynamics 365 Finance , Supply Chain Managementの旧製品名称です。

リソースを考慮し、プロジェクトを2段階に分けたことでスケジュールの短縮を実現

Dynamics AX導入は、単なるERP導入プロジェクトではなく、本社から製造ラインとサプライチェーン機能を日本に移し、『日本を物流の中心に』するため、リソースの負荷と現場の混乱を避けるために、導入フェーズを2段階に分けることになりました。
まず第1フェーズでは2018年に会計モジュールの導入を実施。先に経理部がDynamics AXの利用を開始し、新システムに慣れておくことで、2019年に開始した第2フェーズのサプライチェーン、生産管理の導入がスムーズに行えることを期待していましたが、実際、これが功を奏しました。先にDynamics AXに慣れていた経理ユーザーによるスピーディーなUAT(ユーザー受け入れテスト)支援は、第2フェーズの進行に大きく貢献しました。第2フェーズの終了まで、経理部は一時的にDynamics AXと既存システムの二重入力が必要という懸念点もありましたが、もともと複数システムを使用していたことから抵抗はなかったといいます。
2段階の導入計画と、現場の緻密な優先順位付けが功を奏し、2019年12月に予定していた本番稼働を2か月早い2019年10月に前倒しすることができました。当初、ERPと物流ラインの切り替えを同時に切り替える予定でしたが、ERPを先に稼働させたことで、12月は物流の切り替えに専念できた事は大きかったようです。

全体最適化に向けて、全員が一丸となり取り組んだ

製造やサプライチェーンにおけるデンマーク本社の製造指示はすべてDynamics AXを通じて行われ、本社による評価もDynamics AXの数字に基づいて行われるという方針になったことで、Phase One Japanのなかで、一日も早くDynamics AXによるオペレーションを実現するしかないという意識が生まれました。
システムの導入において、現場の声を聴きながら最適化を図ろうとする歪が発生しがちな中、全社員が「日本を製造と物流の中心にする」という目的に向かってDynamics AXと向き合い、準備段階から、業務システムに合わせるよう真剣に取り組めたことがプロジェクトを成功に導けた理由の一つとなりました。また、旧システムの導入時と、さらにそれ以前に使用していた外資系ERPの両方の導入に携わった経験値の高いメンバーがプロジェクトに参加できたことも強みとなりました。
もちろん苦労した点もあります。「例えば、無償支給を考慮したマスタープランがないとラインにつながらないという課題や、複数に分かれた倉庫の移動オーダーの作成といった問題は、製造用と購買用にそれぞれの品目を作ることで解決することができました。また、本社が使用している2世代前のバージョンを導入したため、データのインポートに問題があり、若干の手作業が発生しました。加えて、本社とマスターに関する考え方に差異があるため、本社と都度調整しています。」(生産管理部長 羽毛田経久氏)
本番稼働から約10か月、全部門がDynamics AXを使用できるようになったことで、ようやく新しいオペレーションにも慣れてきました。「今では、デンマーク、イスラエル、日本とのコミュニケーションツールのような存在になっており、Dynamics AXがなければ、膨大なペーパーワークに忙殺されているだろうと、想像するだけで恐ろしいです。またPBCの経験豊富なバイリンガルコンサルタントが、デンマーク本社やデンマークのDynamics ベンダーと直接コミュニケーションし、外資系ならではの特殊な問題にも粘り強く、柔軟に対応してくれたことで、本稼働スケジュールを前倒し、予算内で遂行できたことに感謝しています。」(代表取締役 本田誠氏)
「PBCが本番稼働後のオンサイトサポート、定着化後の保守サポートも柔軟に対応してくれたことは非常に助かりました。」(サプライチェーン本部長 井深栄治氏)

Phase One全体のコミュニケーションツールとして活用

全ての旧システムをDynamics AXに移管したことで、Phase Oneは、システム統一による二重入力の削減(捨てる化)、受発注における3か国間の連携、スムーズなコミュニケーション(言える化)、Power BIによるグローバルデータの可視化(見える化)の実現に成功しました(やりきれる化)。

企業概要

企業名 Phase One Japan株式会社
創立 2015年6月17日
所在地 長野県佐久市市原582-2
URL https://www.phaseone.com/
事業内容 視聴覚機械器具・光学器器具の製造、販売

導入ソリューション概要

ソリューション Dynamics 365 Finance and Supply Chain(Microsoft Dynamics AX 2012R2 CU1)
導入モジュール 財務管理、販売&売掛金管理、仕入&買掛金、在庫管理、固定資産管理、生産管理、サービス管理(RMA対応アドオンモジュール)
導入拠点 長野本社・東京営業所
導入言語 日本語・英語
サービス概要

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