導入事例
日本パルスモーター株式会社 導入事例インタビュー
原価計算機能を中心に基幹システムを再構築 海外展開に向けたシステム基盤の確立に成功
ハードウェアの老朽化に伴い、基幹システムの再構築を行った日本パルスモーター株式会社。今後の海外展開を見据えたシステム基盤としてMicrosoft Dynamics NAVの導入を行いました。 2015年5月よりシステムの稼働を開始し、当初の目的であった海外展開に向けた基盤の確立はもちろんのこと、原価算出の早期化や原価計算の精度向上といった導入効果を確認することができました。
高度な技術で、多彩なモーションコントロールを実現

海外展開を見据えたシステムの選定を実施
ハードウェアの老朽化に伴い、当時利用していたシステムの更新時期を迎えていた同社は、2013年4月より次期基幹システムの選定に着手。選定にあたっては以前から付き合いのあったベンダーを含めて、多くのシステムを候補に挙げ検討を進めました。
「一旦は別の国産パッケージにほぼ決定していたのですが、当社の社長より『海外展開を見据えたシステム構築を行うように』との指示があり、再検討を行いました。その中で多言語・多通貨に対応している製品、そして海外での導入ノウハウを持つベンダーという観点から、PBCを含む2社に絞りました。」(日本パルスモーター株式会社 取締役 管理本部長 廉沢栄一 氏)
「選定の最終段階では、ユーザー部門も巻き込んで評価を進めました。 2社の評価は拮抗しており、正直、最終プレゼンを受けるまで、どちらの提案を採用するかは決めかねていました。」
(管理本部 管理室 電算担当 室長代理 辻 直人氏)
「決め手となったのは『開発担当者の顔が見えて、柔軟な対応ができるベンダーである』という姿勢をPBCさんから感じたことです。ERP の導入にあたっては、全てが計画通りに進むとは限りません。過去の経験からも、私たちは意思決定が早く柔軟な調整が可能なベンダーとともに仕事を進めていきたいと考えていました。いまプロジェクトを振り返ってみても、この選択は正しい判断であったと言えます。」(廉沢 氏)
また、機能面においては会計モジュールの業務適応度が大きな要因であったといいます。
「もう1社の提案では、日本商習慣対応を始めとした会計モジュールの機能が不十分であったため、生産管理を中心とした基幹システムとは別に、他の会計PKGを組み合わせて導入する必要がありました。一方、Dynamics NAVの場合は生産・販売・購買・在庫・会計を全て同じ仕組みの中で運用することができるため、運用の効率性はもちろんのこと、今後の監査対応等を考えても優れた運用が行えると判断しました。」(廉沢 氏)
急な要求変更にもスケジュール調整により柔軟に対応
上記の経緯を経て、Dynamics NAVの導入プロジェクトがスタートしたのが2014年の5月。始まってみると、苦労された点も多くありました。
「最初はやはり海外のERP製品ということもあり、用語や設計思想の違いを理解するのに苦労しました。また、要件定義の途中で当初想定していなかった要求が飛び出すなど、一時は不安になることも多かったのですが、PBCコンサルタントが粘り強く調整を進めてくれたおかげで、大きな問題もなく稼働にこぎつけることができました。」(管理本部 管理室 阿部 隆信氏)
入念な運用テストがプロジェクトを成功に導く
このような状況の中で、プロジェクトを成功に導いた要因は何だったのでしょうか。
「具体的には、ユーザー部門を巻き込んだテスト稼働を1か月分行ったことです。これにより、現場部門を含めた全員が当事者意識をもって本稼働を迎えることができました。また、私たち電算室の立場からもデータ移行のリハーサルや、インフラの最終調整を行えたという意味で有益でした。現場部門に負荷をかけたくないという心理が働いてしまうこともあったのですが、PBCからは、プロジェクトを成功するために何を行うべきかをしっかりと伝えていただけたことが良かったと思います。言いにくいことや、難航する調整・交渉も粘り強く行っていただけたおかげで、大きな問題もなく本稼働を迎えることができました。」(管理本部 管理室 鈴木 大輔氏)
原価計算の精度向上により経営判断に有益な情報を提供
2015年5月に本番稼動を迎えてから3ヶ月を経て、導入効果について語っていただきました。
「原価計算の面で大きな効果がありました。1つは、製造原価の算出を早めることができたこと。次に、原価計算の精度を向上させることができたこと。そして、会社データを容易にコピーする ことが ことができるため、配賦基準を変更して再計算を行うなど、シミュレーションが行えるようになったことも大きな導入効果と言えます。」(辻 氏)
特に、NAV-MANUFACTURINGの機能を用いて製造間接費の配賦を行い、実際原価計算を実現したことにより、経営にも大きなインパクトを与えたといいます。
「原価計算の精度が上がったことにより、当社の経営層に対し有益な情報を提供できるようになりました。今後、注力すべき製品群の見極めや、売価の見直しなど、今回のシステム導入をきっかけに社内でも活発な議論が行われるようになってきています。」(廉沢 氏)
海外展開に向けたシステム基盤の確立という当初の目的を達成できたことは非常に大きな意味を持っています。同社は既に中国やフィリピンに生産拠点を構えており、今後Dynamics NAVをこれらの拠点にも展開していくことで、グループ経営の高度化を目指されています。
今後の展望
「まず、直近の目標は『ISO/TS 16949(※)の取得』です。今回の導入プロジェクトでは、このTSの取得を見据えて、在庫管理の厳格化など業務フローの変革を行いました。例えばロット別の在庫管理などを実現できたことにより、TSの取得も実現可能性が高まってきています。」(廉沢 氏)
「また、当社の営業部門からはSFA(営業支援ツール)の構築を求める声もあります。Dynamics NAVは、同じDynamics製品であるMicrosoft Dynamics CRMとの連携も容易に行えるため、生産/原価計算分野にとどまらないシステム活用を考えていきたいと思います。」(阿部 氏)
「そして、やはり重要なのは『海外展開』というキーワードです。海外拠点に順次システムを導入していくことも考えていますが、いま注目しているのはDynamics NAVの関連会社管理機能です。各拠点の取引データをDynamics NAVにインポートし、会社DBを合算して簡易連結を行うといったこともできると聞いています。これらの機能を活用しながら、グループ経営の高度化を目指していきたいと考えています。」(廉沢 氏)
今回のDynamics NAV導入により、原価計算の分野を中心に業務改善を実現した日本パルスモーター株式会社様。今後の海外展開を見据え、グループ経営管理の高度化や原価マネジメントの強化などを担い、国際競争力の源泉となるシステム基盤の構築を実現することができました。
(2015年9月現在)
企業概要
企業名 | 日本パルスモーター株式会社 |
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創立 | 1952年5月 |
資本金 | 1億円 |
所在地 | 〒113-0033 東京都文京区本郷2-16-13 |
URL | http://www.pulsemotor.com/ |
事業内容 | 1.精密小型モータ・モータドライバ・コントローラ・電子部品等の製造販売。 2.自動化省力化機器・装置・システムの設計製作販売。 3.上記する電気・電子機器等の輸出並びに関連機器の輸入販売 。 |
導入ソリューション概要
ソリューション | Microsoft Dynamics NAV 2013 R2 |
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導入モジュール | 財務管理/販売&売掛金管理/仕入&買掛金管理/在庫管理/生産管理 |
導入拠点 | 東京本社(管理、営業)/岩木工場(青森県、製造本部)/ テクノセンター(東京、開発本部) /大阪営業所 |
導入言語 | 日本語 |
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