Pacific Business Consulting (Thailand) Co,. Ltd. のご紹介

30 8月

皆さん、サワディーカップ!Dynamics特派員、室長こと吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications)です。お元気でしょうか? ということで、今回は2012年に導入を担当したタイのDynamics ERPアップグレードプロジェクトでタイに来ています。

昨日は土砂降りのスコールでした。東京のゲリラ豪雨の次は、バンコクで豪雨(涙)。首都バンコクといえど、水回りのインフラ事情はあまりよくなく、あっという間に道路に雨がたまって、びしょびしょになりながらも、なんとか和食レストランにたどり着けました。今は雨季(5月中旬-10月中旬)なんですよね。雨や曇りが多い時期です。雨季といっても、日本の梅雨のようにしとしと雨が降り続くのではなく、1日に数回、凄いスコールがあるのが通常です。スコール以外の時は晴れ渡る、という日もあります。雨季の終盤には、大雨が続くことも。雨が降ると交通渋滞がひどくなるので、余裕を持った旅程がオススメですね。

タイの国土は、51万4000平方キロメートル(日本の約1.4倍)で、人口が6900万人弱(2016年度)という規模です。バンコク市内には約928万人(タイ全体の13%)が居住しているようです。もはや世界の大都市のひとつですよね。

さて、Pacific Business Consulting (Thailand) Co,. Ltd. は、2015年9月よりPacific Business Consulting, Inc. の子会社として営業を開始しています。現在、社員15名ほどで日本本社および他拠点(香港・中国)、ベトナムの関連会社と連携しつつ、ASEAN領域のDynamicsなプロジェクト(製造業/商社を中心)を導入したり、R&D(タイ/ベトナムの商習慣対応機能)を担当してくれています。

是非、バンコクにこられる機会があれば、当社のタイオフィスに寄っていただければと思います。(是非、Dynamicsなプロジェクトをお土産にもってきてください!)

オフィスは、バンコク都心部のサトーン通りとナラティワート通りの交差点にそびえるエンパイアタワーにあります。227メートルで、タイでは第6位の高層ビルのようです。地下にフードコートも充実していて、PBCの東京本社よりいいビルですね。

今日はせっかくなので、Pacific Business Consulting (Thailand) Co,. Ltd. のご紹介をさせていただく機会にしつつ、タイのビジネスや商習慣についても少し触れていきたいと考えています。

Pacific Business Consulting (Thailand) Co,. Ltd. のご紹介
岡村宗一郎マネージングディレクター(左)、加島正也テクニカルマネージャー(右)

岡村MDにインタビューさせていだきました。

室長)岡村さんは、タイに赴任されてから、まだ1年もたたれていないと思いますが、タイの日系企業の企業情報についてわかる範囲でおしえてもらえますか?

岡村)タイは、日系企業の自動車/自動二輪メーカーの製造拠点が集中しているので、特に自動車の部品メーカー、内装素材メーカーからの引き合いが多いですね。バンコクは、アジアのデトロイトといわれているらしいです。自動車の生産高では、世界12位で約200万台がこの国で製造されているようです。(日本は3位でおよそ1000万台。1位は中国、2位は米国)次に商社/卸売業からの問い合わせが多いです。最近では、医療機器/製薬事業/医療サービスが注目されているようで、このインダストリーからのお問合せも増えてきました。

室長)なるほど。世によく聞く、”タイランド4.0”の施策で先進国入りを目論んできていますから、「産業クラスター計画」でうまく企業誘致ができていた結果なのかもしれませんね。実際タイのどの地域が今後発展していくことになるのですか?

岡村)そうですね。ご存知かもしれませんが、東部経済回廊(EEC)というタイランド4.0の実現に向けた戦略的地域がありまして。

室長)えっ?ECCですか?

岡村)はい。タイ政府は、チョンブリ・ラヨン・チャチュンサオという3県に2016年6月に東部経済開発特区として創立し、インフラ開発特区として承認しました。デジタルパークプロジェクトとして、EEC地域の54のハードウェアの工場に、スマートデバイス・IoT・工場ロボットの導入を決定したようです。

室長)びっくりした。EECでしたか。英会話かと思った(笑)

参照>福岡県庁ウェブサイト記事

なるほどね。つまり、タイランド4.0で産業を高度化させるために、EEC領域で10種のターゲット行を成長させていく方向なんですね。自動車関連、バイオ/医療の引き合いが当社に多いのは理にかなっているというわけですかね。

岡村)そうかもしれませんね。

室長)具体的にどのような引き合い(Dynamics案件)があるのですか?多分いくつかのパターンに分解できると思うのですが。

岡村)そうですね。3つほどご紹介するならば、

①本社で利用しているTier 1 ERP(SAP/Oracle)を利用中、もしくは本社から、それらを強く導入するよう推奨されているが、タイ法人では高額な投資ができないため、導入保守費用の削減するために、DynamicsERP(特にDynamics365Business Central/旧Dynamics NAV)の導入を検討されているパターン。

②タイの安価なExpress Accounting Software・Mac-5・MYOB・ACCPAC(Sage)を利用しているため、日本人による管理統制が難しく、日本本社からもサポートできなくて困っているようなパターン。

③タイで事業開始後、3年-5年ほどが経過しており、これまで会計・税務の記帳代行のサービスを利用してきたが、事業が大きくなってきたため、そろそろ内製化していこうとするパターン。

吉島)なるほどー。タイに限らず、日系企業の海外展開ではあるあるのシナリオですね。余談ですが、先日Dynamics 365 Business Central のプレス記者会見を行ったのですが、そこで当社PBCがどのようにマーケットを拡販していくか?という戦略についてご紹介したので、タイ法人でも同様のアプローチをとっていただきたいと思います。

えっと、日本本社がスクラッチでPSI(購買販売在庫)や製造のアプリケーションを手組で開発して持ち込んでいるようなパターンはありませんか?

岡村)そうですね。上述の①に近い感じかと思いますが、その場合には会計だけはタイでつくられたパッケージを使っているのだと思います。

吉島)その場合、現地に本社側から持ち込むスクラッチシステムは、インド/ブラジルなどの州をまたぐ在庫/製品の移動などがある場合はTAX計算ロジックを付加しないといけないですよね。つまりは、SCM/製造機能に現地に合わせた税制を組み入れることが必要になる国があります。

岡村)そのようですね。実際、業務システムを日本でスクラッチ開発して、外資系ERPのように世界へ導入展開するのは簡単ではないと思います。

吉島)製造工場や、商社の導入をPBCタイがやっていることは知っていましたが、いただいた説明でどのような見込みのお客様が当社にお声がけしてくれているか想像がつきました。最近うちのマーケティングチームにもタイでのDynamics ERP アップグレードの要望がクライアントから来ますが、タイではどのような状況ですか?

岡村)タイのベンダーでDynamics ERPを導入していて、課題を解決できず、当社にコンタクトしてこられるお客様がだんだんと増えてきていますね。

室長)タイのDynamics パートナーが導入して品質に不備があるパターンも、アップグレードプロジェクトのサポートをPBCタイでやってくれるという事ですか。では私のところにクライアントからこのような話が来たら岡村さんに即相談しますね(笑)

次に、タイの商習慣(ローカライゼーション)について教えてもらってもいいですか?

岡村)重たい話がいきなり来ましたね(笑)でも吉島さんタイの導入やっているから知ってるでしょ?

室長)いやいや、ここはタイのMDとしてきちんと説明してほしくて(笑)

岡村)承知しました。基本的にはVAT(付加価値税)・Withholding Tax (源泉税)・Voucher(転記前後の承認済み帳票のようなもの)・Billing(一括請求のようなもの)・Stock Card(在庫評価レポートのようなもの)などがあります。

WHT 50 BIS (WHT Certificate)
WHT 3
WHT 53

室長)帳票とか結構細かいですよねぇ。

岡村)R&Dがんばっていますから。

室長)ありがとうございます(笑)

次にプロジェクトについて、聞きたいのですが、プロジェクトリスクは沢山あると思うのですが、どういうポイントにこだわってプロジェクトを管理されていますか?

岡村)コミュニケーションの取り方ですかね。何しろ、タイ人と日本人の間にユーザー側も我々のようなベンダーもコミュニケーションが足りていないという状況が発生しがちです。

室長)それって、タイに限った事ではなくて、ほかでもですよね?岡村さんは、グローバルプロジェクトも経験が豊富だし。

岡村)そうですね。さっきタイ人のプロジェクトマネージャー2名に難しさを確認しましたが、彼女/彼等は、予算管理、スケジュール管理、GAP判定、クライアントとの折衝についてという切り口で話をしていました。これらは、グローバルプロジェクトに限った事ではありませんが、多民族の多言語によるコミュニケーションでは難易度が格段にあがります。日系企業の海外展開となると、当社の親会社(笑)、Pacific Business Consulting, Inc. や、ユーザーの本社の経営/情報システム部門、時には情報システム子会社がプロジェクトに参画することもあるため、複数パーティーがコミュニケーションを煩雑にしがちです。コミュニケーションをとる先に時差/距離があることが普通です。

英語でのSkypeMTGに日々参加してコミュニケーションをはかっているようです。

吉島)確かにね。僕も同じような事で今も悩んでいますし、技術の課題というよりは、ミスコミュニケーションから生じる課題/リスク・タスクの増加/プロジェクト遅延の影響のほうが大きいですね。

岡村)ですね。小規模法人ですから、MDというポジションでもありますが、プロジェクトをサポートすることもあるため、ゴールを明確にし、なるべくコミュニケーションをシンプルにする事を最優先しています。それがプロジェクトの成否をわけることがありますからね。そういえば、海外展開導入のセミナーを大阪でやられたようですね。あれ、タイでも開催してください!

タイの商習慣について(2018年7月10日/マイクロソフト大阪支社にて)

室長)大阪のマイクロソフトさんで開催したやつですかね。アジアパシフィックと北米の17カ国の商習慣について解説をさせていただきました。あのときにも確かに、今岡村さんがおっしゃっているようなことは私のセッションでリスクとしてお話しました。海外展開を実際にやられている情報システム部門の方も参加されていて、真剣にセッションでメモをとられていましたね。是非バンコクでも機会があればお話をさせてください。

室長)えっと、奥様もお子様もこちらに転居されているんですよね?日本人学校どうですか?

岡村)そうですね。幼稚園と小学校で3000人くらいいて、運動会とか場所どり含めて超大変です。妻と走り回って汗だくになっています。

室長)うわー(笑)そりゃ大変。すごいクラス数ですね。マンモス学校だ。逆にこちらにいて新たな楽しみはありますか?

岡村)そうですね。何分初めての海外赴任なので、大変なことが多いですが、こちらにいるときにしかできないと思うので、家族水入らずでいろいろな国に旅行したりして、ファミリータイムをエンジョイしたいと思います。

室長)いいなー、ハッピータイムですね。最後に今後の展望について、お伺いさせてください。

岡村)本社Pacific Business Consulting, Inc. では、APAC領域でDynamicsビジネスNo1になることを全社の目標にしています。タイでも、その一助になれるよう、日本品質でシステム導入をASEAN領域により展開できるよう、一つずつのプロジェクトを大切にしていきたいと思っていますので、ご期待ください。それから、本社側からももっと沢山タイを応援してくださいね(笑)

オフィスの雰囲気(残念ながら男性コンサルタント2名が不在でした)

次に加島正也テクニカルマネージャーに、グローバルプロジェクトの面白さや難しさについてインタビューをさせていただきました。

室長)PBCタイは女性コンサルタントが男性コンサルタントより多いですが、

加島)ですね。華やかですし、我々男性よりもきめ細やかな対応をしてくれるので大変助かっています。

室長)それはいいですね。加島さん、タイ語ってわかるの?

加島)全くです(笑)実は、英語も得意でないので、赴任時はどうなることかと思いましたが、身振り手振りでなんとか業務を遂行できています。

室長)さすが(笑)コミュニケーションは英語なんですね。日本と比べてどうですか?

加島)ベトナムに関係会社があるのですが、そことのコミュニケーションも英語がベースで、PBCタイは、PBC東京よりも多く英語を使った仕事が多く、タイ人のスタッフも全員英語でコミュニケーションが取れるので、日本のように”Yes…..But”というお決まりのやりとりはなく、基本はYes/Noの世界なので、わかり易くて自分は仕事がしやすいです。タイ人同士も大変仲がよくて、みんな協力しあってプロジェクトをやっています。

室長)なるほど。そうですね。ベトナム出張もよくあるのですか?

加島)タイ国内のプロジェクト以外にも、ASEAN領域(ベトナム・マレーシア・インドネシア・フィリピン・香港)のプロジェクトもあるため、出張は多いですね。

ベトナムチームとの懇親会

室長)へー。語学力を武器としないグローバル人材現る?(笑)

加島)そうですね。英語を苦にしている日本人の方々も多いかと思いますが、そういった方々にとっても、”加島ができるんだから、私たちもできる”といってもらえる存在になりたいと思って日々研鑽しています。

室長)それは素晴らしい。環境って大事だし、いざとなればみんなできるようになりますからね。食わず嫌いというか、日本人はそういう方が多いのかもしれませんね。環境が人を育てていくから、加島さんにとっては、いい経験になっているということですね?

加島)ですね。PBC東京の皆さんには私のようなものをタイに赴任させていただき大変感謝しています。

室長)あはは。自分で行きたいと言ったか、赴任を狙っていたのでしょ?よかったね。

加島)はい。さっき吉島さんと岡村さんの会話をこっそり聞いていて、僕は何を話そうかと思っていたのですが、タイ人同士のコミュニケーションは非常に円滑で、日本人よりも上手だなと思う事が結構あります。

室長)えっと、コミュニケーションについて話したいということね。どう、うまいのですか?

加島)あまり、裏表がないように思います。タイ人は意見をはっきりといいますし、プライドも高いのでわかり易いです。会話に飛び込んで入っていくことも、日本人よりも上手な気がします。

室長)なるほど。日本人は裏表がありありっていいたいのね(笑)では、ベトナム人はどうですか?

加島)開発の品質が高いですね。日本人に似ている気がします。SPEC通りに作ってくれますし、真面目なので、テストも手を抜かないです。こうしたほうがいいんじゃないですか?と提案もよく来るので、変なSPECを書くと恥ずかしいので、より真剣に仕様書を確認することが増えました。

室長)なるほど。いい先生たちに囲まれて幸せですね(笑)

室長)今後はPBCタイをどのようなチームにしていきたいですか?

加島)そうですね。ASEAN地域のDynamicsユーザーのために日本品質の導入を継続し、タイ/ベトナムの商習慣機能をもっと充実させてクライアントの満足度をあげていく活動に取り組みたいですし、もっとコンサルタントの数を増やして、毎年多くのプロジェクトを完遂できるようにチームとしては取り組みたいですね。

室長)きゃーかっこいい!個人としてはどうですか?

加島)吉島さんや岡村さんのようなグローバルコンサルタントになりたいですね。見習う事が多いですし、経験値が高い。いろいろな国の導入を手掛けてみたいですね。

室長)あはは。Dynamicsな活動を楽しみながら継続すれば、年齢関係なく成長していくことができると思いますよ。実際私も日々反省と感謝の連続です。年甲斐もなく悔しがりますし、年甲斐もなく喜ぶので(笑)でも、オフィスに岡村さんがいることは大きいですね。しかし、びっくりしたのですが、お二人は中央大学の同期なんだって??

加島)そうなんです。岡村さんがタイで自己紹介をされているときに気づきました。年齢も全く同じなのです。

室長)なんという偶然(笑)中央大学パワーで頑張ってくださいね!期待しています!

—番外編START—

室長)最後に、未だ独身の加島さんに、タイの楽しみ方について教えてほしいです。ここバンコクだと日本食もレベルが徐々に高くなってきていて、食事には困らないですよね?あとバーなども多くて、遊ぶ場所も充実しているかと思うのですが、

加島)友人が訪泰してくれた時は、夜の街で飲食を楽しむようにしています。

室長)朝まで?

加島)週末であれば、そうかもです。友人と飲み明かします!

室長)タフですねー。

加島)でも最近のように期日が近い開発の仕事が多いときは、会社や自宅で、Food Pandaというデリバリーを利用した食事をすることも多いです。

室長)フードパンダ?

加島)そうです。吉島さんも今晩オーダーしてみますか?

室長)結構です。せっかくなのでタイのレストランで食事を楽しみたいと思います(笑)

加島)あと、Rabbit Cardが便利なので、もし利用されていなければ使ってみてください。

Rabbit Card

加島)日本のSuicaのようなものです。地下鉄だけでなく、駅前の出店や、カフェなどでも利用できます。クレジットカードだとある一定以上の金額でないと利用できないようなお店も多かったりします。

室長)情報共有ありがとうございます。確かに!クレジットカードが使えなかったレストラン/カフェで痛い目にあったことがあります。タイに出張に来られる方には貴重な情報ですね。

加島)最後に!Pacific Business Consulting, Inc. では国内外で活躍するDynamics(ERP/CRM)コンサルタントを大募集中です。グローバルプロジェクトを楽しめる機会が多くありますので、ご興味がある方は、ご応募いただけますと幸いです。タイでお待ちしております(笑)

—番外編END—

いかがでしたでしょうか?タイのマーケット感や、PBCタイの楽しそうな雰囲気が、少しは伝わりましたでしょうか?ベトナム・香港・中国もそのうち取材してみたいですね。

さてと、明日から2日間、タイのメンバーたちとクライアント先で要件定義を行う予定ですので、最後まで読んでいただきありがとうございました!

本日はこのくらいで失礼させていただきます。Let’s Go More Dynamics !!