NAV TechDays 2016 – Report

1 12月

こんにちは。コンサルタントの周 雲岩(ZHOU YUNYAN)です。昨年に続き、今年もPBCの代表としてNAV TechDays 2016に参加してきました。日本からは私が唯一の参加者でした。NAV TechDaysはMicrosoft Dynamics NAV(以下、NAV)の技術者向けのイベントで、毎年ベルギーのアントワープで開催され、世界中のNAVエンジニアが集結します。今年は、参加人数が初めて千人を超えました。

15129586_994614563977676_2457171676168155542_o

15129537_994614537311012_7757869243873205200_o

Work Shop:

TechDaysのメインセッションは11/17と11/18の2日間でしたが、昨年好評だったPre-Conference Workshopが、今年も11/15と11/16に設けられました。私は、Microsoft MVPのMark Brummel氏による、“NAV Application Architecture and Design Patterns”セッションに参加しました。同氏は2年前にPBCに来社し、PBCコンサルタント向けにWorkshopを開催していただいたことがあります。Design Patternは、元々建築業界で使われていたコンセプトですが、次第にソフトウェアにも適用されるようになりました。Brummel氏をはじめとするNAVのエンジニア達によって長年研究され、近年、NAVにもDesign Patternの適用が推奨されるようになりました。今回のWorkshopでは、NAV標準版のデザインにおける良いパターンと悪いパターン、およびその理由が詳しく解説されました。それにより、私の中で疑問となっていた課題がクリアになり、とてもすっきりしました。

IMG_5012

※Brummel氏のスライドの一枚。「”しょうがない”は、NAVの大きな進化に対して、拒否するのではなく、ポジティブにチャレンジしてみてください」というメッセージ。

 

今年のメインセッションのテーマは、大きく分けて次の4つに分けられると思います。

・Event & Extension

10月にリリースされた最新バージョン、NAV 2017からは、TableとPage以外のObjectが全てExtensionの対象になります。それ以外にも、多言語、.NET Add-in、Web Serviceサポートなど、一段と機能強化されました。そのため、PBCが保有する各国商習機能のJ-PACK(日本), C-PACK(中国), H-PACK(香港), T-PACK(タイ), V-PACK(ベトナム)の開発には、今後、Event & Extension対応に備える必要があると感じました。

IMG_5057

・Visual Studio Code

今回、最もインパクトがあったのはVisual Studio Codeでした。数年前から「現在の“Object Designer”を別の開発環境に移行するだろう」という話はありましたが、ついに”Visual Studio Code“という新しい開発環境が紹介されました。”Visual Studio Code”自体は、以前から存在するOpen Sourceの開発ツールです。それをMicrosoftがNAVの開発向けに強化したものです。NAVのDeveloperとして、全く新しい開発ツールを勉強することは大きな挑戦ですが、“Visual Studio Code”がNAVの将来あるべき開発環境であると確信するとともに、正式版のリリースを楽しみにしています。

15039524_994614630644336_6182979387871613447_o

・Source Management & Power Shell

NAVのSource Managementツールが正式にGITに決まりました。NAVのPower Shell CommandとGITにうまく統合されたため、GIT上でボタンをクリックするだけで、Source CodeのText化、比較とマージが簡単にできるようになりました。今までのように、毎回手動でTextファイルとしてエクスポートする必要がなくなることは、大きなメリットです。ちなみに、“Visual Studio Code”もGITと統合されています。

IMG_5089

・Dynamics 365

Dynamics 365(以下、D365)は、Dynamics CRMとERPを統合した、Microsoftの新しいSaaS型サービスです。D365 Business Editionでは、NAVがD365の一機能として提供されることで(Dynamics 365 for Financial、以下、D365F)、PBCのような導入パートナーによる工数が大幅に削減され、エンドユーザーにとっても、短期間、低コストでNAVを導入、利用することができるようになります。

ちなみに、D365Fには財務会計と一部のSCM、プロジェクト管理や、マーケティング管理が含まれます。

 

今年のNAV TechDaysでは、想像もしなかった新しい開発環境、Office 365、Power BIとの連携など、続々と新しい情報が紹介されました。我々は、NAVの華麗な変身をリアルタイムで逸早く見極め、そして、進化するERPのトレンドにしっかり乗っていきたいと思います。

TECHDAY2016-6