皆様、こんばんは! 室長こと、吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications| Microsoft Regional Director) です。皆様は、いかがお過ごしでしょうか?
はやいもので、2月も中旬になってきました。いやぁ、北京で開催中の冬季オリンピック、盛り上がっていますね!日本の選手がメダルを取れたら感動し、一緒に涙し、失敗したのを見て、一緒に涙し、そんな日々をおおくりなのではないでしょうか?いやぁ、室長の涙腺は崩壊されっぱなしです。(としとったなぁ)
フィギュアスケートの羽生結弦選手のコンディションが、十分ではない状況での4Aへの挑戦、
そして、スノーボード男子ハープパイプ決勝で、金メダルを獲得した平野歩夢選手のトリプルコーク1440への挑戦・・・
若いアスリートの皆さんの勇気ある挑戦を目の当たりにし、自分の目標について、自分の挑戦について、改めて考えるきっかけになった方も多いのではないかと思います。私もそのうちの一人です。スポーツは本当に偉大ですね。引き続き、北京オリンピック・パラリンピックを楽しんでいきましょう!
さて、本日は、Dynamics 365 2022年春のアップデートの中身が発表されていますので、いくつかのポイントを解説していこうと思います。ボリュームがあるので、ご利用されている、もしくは興味のあるDynamics 365 アプリのアップデート情報をご確認いただければと思います。
まず最初に、触れたくはないのですが、やっぱり触れないといけないので、ライセンス価格について、、、
3月からの新たな購入は、月契約の場合、ライセンス価格が20%高くなります。年間契約の場合は現在のライセンス価格が適用となります。年間契約の場合は、途中解約や、ライセンス数の削減はその契約期間においてできなくなります。既存のお客様は次の契約期間から、このルールが適用されます。
月契約の場合はオペレーション工数があがることと、契約期間内でのキャンセル処理などがあると、システム対応も難しくなるので、このような方針になったのではないかと、考えております。不明点があれば、弊社の営業(Dynamics@pbc.co.jp)まで遠慮なくご連絡いただけますと幸いです。
では、プロダクト側の話に入っていきたいと思います。マイクロソフトのビジネスアプリケーション領域のDocsを御覧いただけると詳細な記載があるので、ここでも共有しておきます。
まずは、Dynamics 365 Business Central(中堅中小企業向けのERP)から
↓得意先でもあり仕入先でもあるような取引先の債権債務のバランスデータ↓
債権債務を相殺するときに、便利な機能といえると思います。
セキュリティーの設定をしていても、経理の担当者が誤って削除することが過去ありましたので、いい機能といえると思います。
↓ジョブ(プロジェクト)マスタにサービスの提供先と請求先を分けて管理↓
売先と請求先以外にも、出荷先も得意先マスタから選択ができるようなので、工事やインストレーションビジネスでどこで製品や部品を消費するなどの定義ができるということのようです。帳票出力時に、表示できる項目が増えそうですね。
↓出荷や入荷、サービス提供、サービス受領に関する売上・仕入の際の債権債務科目の分岐↓
以前は買掛金や未払いと科目を分けて仕入計上したい際には、仕入先マスタをわけて運用いただいていましたが、今後は1つでも管理ができるようになりますね。(国内のお客様と海外取引もあるような場合に、AR-国内・AR-海外と売掛金の科目を分けたいような場合に利用できそうですね)
勘定科目残高・未払情報・小切手フィールドが追加されたので検証が楽になりますね。
↓Account Schedule (勘定スケジュール)機能の拡張↓
勘定スケジュールは、室長もお気に入りの機能でして、外資系企業様だと日本の科目から本国のレポーティング用の科目にマッピングできます。(日系企業の海外現地法人の場合も現地の科目を日本の科目にマッピングしてレポーティングの作成プロセスを簡素化することができます。)
今回新たに、インポート・エクスポート機能が追加されるようなので、企業の複数展開の場合にもユーザー側で簡単に定義したレポートをコピーできるようになりそうですね!
この機能拡張は、正直やっときたか!という感じです。コロナ禍で支払側もその方法に選択肢が増えてきたので、今回拡張に至ったのかもしれませんね。一方で、権限を持っている人しか変更ができないとうことのようなので、別の設定が必要になるのだと思っています。
簡単にいうと、支払条件・出荷方法・配送会社のデータをDataverse側と連動させることができるというものです。ERP側にカスタマイズをせずに、Dataverse側の開発・サービスの利用で、配送業者の宛名ラベル印刷アプリや出荷トレースアプリと連携することができるようになりそうです。
こちらは、既にある繰延機能の期間制御に関する拡張にあたります。機能が検証できるようになったら試してみたいと思っています。何れにせよ、企業の保守サポート契約の管理、サブスクリプションライセンス管理の際の前受・前払処理などの業務に、どこまで適合させることができるかというのがポイントかなと考えています。(期待しています)
バリアントとは、カラー・サイズ・長さのようなもので定義できるもので、在庫管理単位の一つです。リテール業界にはよくありますね。バリアントを含んで、品番のユニークSKUにしている企業も多いと思います。Excelにエクスポートして、インポートできるので、管理はしやすいと思います。
製造BOMライン、計画構成要素、製造指図構成要素の計算式項目に「固定数量」のオプションが追加になるようです。これまでは「空白」「長さ」「長さ*幅」「長さ*幅*奥行」「重量」とあったのですが、ここに「固定数量」が加わったということですね。
伝票のフッター部分に借方・貸方金額が表示されたようです。銀行勘定調整と支払機能の連動部分はキャッシュマネージメントの肝ですね。
↓出力伝票の選択↓
お気に入りの帳票を簡単に出力できるようになりそうですね。
例えば製品-商品という勘定科目を縦に、横に置場名を表示し、金額を合わせ表示することがリアルタイムにできるようになりますね。分析コードで定義できれば会計予算もそれ単位で作成することができますので便利ですね。
勉強不足で、shopifyを知りませんでした。
注文、在庫、および顧客情報を同期させるためのコネクタがリリースされたようです。リテール業界のお客様は既にE-Commerceがあると思うので、これから新たにネットショップをはじめたい場合は、shopifyをご利用いただけるとD365BCと連携シナリオをつくれそうです。
北米版はカナダ・アメリカ・メキシコで利用ができるので、今後はこのプロセスにそって運用ですね。一方でEoSになる機能があるようなので北米ユーザーは気をつけましょう。
倉庫モジュールの画面に行かなくても、ジョブモジュールの機能からピッキングできるようになるようです。オペレーション工数の削減と権限設定が楽になりますね。
双方向の同期機能が追加されるようです。D365 Finance and OperationsでいうところのDual Writeを別の方法で実現したということなのでしょうかね。ERPのオペレーション側で価格や出荷予定日が変更されると、その情報もCRM側に自動的に反映されるようになるようです。便利!
↓Teams連携↓
D365BCの得意先カードのURLをTeamsに張り付けると、カード形式でこれまで以上の情報が表示されるということのようです。その場合は、CRMとTeams連携同様にERPのライセンスがなくても閲覧できるはずです。たとえば、経理担当者が債権が回収できていない得意先のURLをTeamsに張り付けて、担当営業の方と簡単にコミュニケーションできるようになりますね!
Outlookから、Dynamicsを呼び出せることをご存じの方もいらっしゃると思います。見積もOutlookから作成できるんですよね。これって、凄くありません?!で、クライアントが発注しますと発注書をメールに添付してくると、そのメールから作成した見積を受注にコンバートして、そこに顧客発注書を添付しておくというシナリオがスムーズに流れますね。営業事務さんが大活躍している組織であれば、このようなオペレーションは最高ですね!
開発者の方には朗報といえますね!
2021Wave2(秋のアップデート)では、ALパフォーマンスプロファイラーが、Visual Studio Code ALのエクスペリエンスに追加されました。今回はその機能拡充になります。開発者にエスカレーションしなくても、コンサルタントやSEの方がアプリ側からパフォーマンスの調査を簡単にできるようになります。(遅いと使えないですからね)これは結合テストの際の、ロードテストにも導入プロジェクトタスクとして組み込んだほうがよさそうですね。
デモツールとデモシナリオが追加されるようです。導入するパートナー側ではしっかり学習を進めないといけませんね。(楽しみ♪)
↓AL-Go for GitHub –パートナー向けの最新のDevOps↓
こ、これは、、、、ワークフローでリポジトリが常に最新バージョンのワークフローとアクションを利用できるではないか。。。これは使い倒さないといけませんね。
↓テレメトリの活用↓
ALから送信されるテレメトリ、ベースアプリケーション、またはシステムモジュールから送信されるテレメトリ、またテナントごとの拡張機能とソースアプリから送信されるテレメトリのトラブルシューティングと分析作業が相当楽になりますね。(インフラ担当はしっかりと検証しないといけませんね)
パートナー側で仮想テーブルとクライアント内のページからデータベースの洞察を得ることができるようになります。Business Central環境のデータベースは、動的管理ビュー(DMV)を介してパフォーマンスカウンターとSQLクエリに関する情報を利用できるようなるんですね。セキュリティーの問題から直接データベースにアクセスすることができないので、本当に助かります!
パートナー側では、テレメトリを使用して、どのALコードパスが、ユーザーのエラー状況をトリガーするかについての洞察を得ることができるようになり、パートナーまたはテナント管理者は、Azure Monitorでアラートを設定して、多くのユーザーでエラーが発生した場合に、通知を受け取ることもできるようになるようです。これは助かる!
トラブルシューティング担当者は、テレメトリのどのデータが特定のユーザーに対応するかを特定できるようになるようです。この際に疑似ユーザーIDというのが、個人情報を隠すために、ユーザーカードの隠れフィールドとして出てくるようです。トラブルシューティングの効率をあげることができますね。
環境内のデータベースのデッドロックに関する洞察が得られるので、ユーザーのブロックを解除するのに役立ちます。
↓リクエストページから直接XMLでレポートデータセットを取得↓
ユーザーと開発者は、XMLでレポートデータセットを取得できるようになるようです。
いやぁ、これは、Microsoft365管理者には朗報ですね!対応スピードと生産性をあげることができますね。
2021春のアップデート分の拡張機能になります。忙しいコンサルタントの時間節約になる機能ですね。これはユーザー側にも覚えていただいて、自社でメンテナンスしていただいたほうがいいかもしれませんね。
↓仮想テーブル↓
Dataverse用のD365BC仮想テーブルを利用すると、D365BCのAPIはDataverseのテーブルとして公開されるんです。仮想テーブルをDataverseのネイティブテーブルとして活用し、Power Appsでアプリを構築することができるので、今後はPower Appsとの連携シナリオが沢山つくれそうですね!
↓Power Automate/Power Appsコネクタの拡張↓
内製化に取り組んでくださっている弊社のクライアントから要望の多かった領域の拡張になります。いよいよ、きましたか。データ検索、フィルタリング、および並べ替え、関連レコード(ドキュメントのヘッダーと行の両方からのデータなど)の追加サポートがコネクタ側に行われるとのことです。いやぁ、待ち遠しい!!
↓PWA>UWP↓
デスクトップで完全なWebクライアントエクスペリエンスを提供する新しいデスクトップアプリがMicrosoftStoreに出てくるようです!
オンボーディング機能とは、手順書をシステムに組み込んだようなイメージです。もう少し機能がおちついたら(という表現が的確だろう)お客様にご利用いただきたいと思っていますし、できれば当社がご提供しいてるAppSource(X-PACKや、BC-MFGなど)は、オンボーディングで利用方法を明示できればとは思っています。
本機能はガイド付きのツアーのようなイメージです。パーソナライズのやり方を教えてくれる機能ですね。こういう機能の拡充は重要だと思います。
昨年度の春にリリースされた機能の拡充ですね。製品の機能のヒントを得られるものですが、その方法をより便利に拡張しました。ヒントから他のアプリ内エンティティへのリンクをしたり、より明確な説明が利用者に提供できるようになると思います。
より、ユーザーにやさしいシステムになりそうです!
Wordでデザインした帳票をD365BCで利用することはご存じな方もいらっしゃるかもしれません。今回の追加は、既にD365FO側でできていることですが、D365BC側でもできるようになるようです!一旦取り込んだ後に、編集してD365BCに再度保存できるので、WordやRDLCレイアウトと同様に管理することができます。これは、自分でもいろいろと試してみたい機能の一つです。素晴らしい!
ユーザー側とパートナー側での再現性が難しい場合、パートナー側で解決できない内容もあります。その場合、ユーザーの環境をマイクロソフト社が直接確認するため同意をここで得ることができるようになるようです。これは本当にありがたい機能です。我々パートナーの声が届いた感じですね。良かった!
次は、Dynamics 365 Remote Assistの拡張を見ていきましょう!
Dynamics 365 Remote Assistライセンスを持っていなくても、ベンダーと顧客は、Dynamics 365 Remote Assistmobileを使用して1回限りの通話に参加できるようになるようです。
モバイルデバイスでローカルに開かれたドキュメントで、リモートで作業するエキスパートと共同作業を行うことができるようになると、課題解決のスピードアップにつながりますもんね。
続いて、Dynamics 365 Guidesの拡張を見ていきましょう!
↑のRemote Assist同様、モバイルデバイス対応ができるようになるようです。用途を広げることができるのカバーできるビジネスシナリオが増えそうですね。
お客様の環境を離れることなく作業でき、アクセスが制御されるため、コンテンツの複製や移行が不要になり、管理をシンプルにすることができますね!
次は、リブランドされて名称が変ったDynamics 365 Connected Spacesについて見ていきましょう!
Ignite秋まつりでも少し解説をさせていただいた内容ですが、↓Connected Spaces↓
コンピュータービジョンとAIを統合して、運用エクスペリエンスの変革を支援するインテリジェントエッジ型、インテリジェントクラウド型とハイブリッドなソリューションということができると思います。日本では、これから展開が進んでいく感じでしょうかね。個人的には、工場側で人の動きを工程に紐付けて工程別原価計算の人件費配賦を自動化してくれると嬉しいですw
次は、Dynamics 365 Sales領域の拡張を見ていきましょう!
重要な会話に如何にはやくたどり着くかが大切ですね!
↓デジタルセールス↓
AIを使用して、作業の優先順位を付け、通話中にリアルタイム分析の結果を得、アクション通知を自動化し、会議の簡易議事録をプログラムで自動生成し、データ品質をあげることで洞察を得られるというシナリオですね。
- 予測スコアの精度向上→販売ステージ単位に属性割当
- 販売予測と販売機会へのアクセス性向上→予測ワークフローの合理化
- 大量の販売機会を検索し更新→フィルタリング機能の向上
- 停滞案件への適切な対応→予測スコアへの影響監視
- AIによる洞察の精度検証→スコアリングモデルのパフォーマンス測定
- 作業割当情報の最新化→インライン編集とクォータロールアップの活用
- 年間予実の乖離チェック→柔軟な予測期間(年次)の表示
- 週次予実の乖離チェック→柔軟な予測期間(週次)の表示
SFA領域の肝といっていい、予測の精度向上とAIの利活用についての改善が多く入っています。9月頃のリリースになる機能もあるので、定期的にチェックが必要ですね。こんな風に随時新機能がリリースされていくことが、SaaSアプリケーション利用のメリットという事ができますよね。
通話記録の活用→スマホの連絡先とCRMとの連携
手動登録の効率化→スマホのカメラ/画像データのテキスト化
アプリ切替工数削減→Outlookとの連携
オペレーション工数削減とデータの有効活用に関する改善ですね。9月のリリースのようです。
LinkedInも徐々に日本での活用も広がっているので、顧客と社内同僚の関係などの情報が具体的に可視化されるようになってくると、商談を有利に進められる可能性を秘めていますね。ここは注目領域といってもいいでしょう。リリース日の記載がないので、随時確認していく必要がありますね。
アプローチ方法の選択→顧客に適した商談・エンゲージ方法の定義
優先順位決め→ワークリストのパーソナライズ
MTGの二重予約回避→Outlook統合
チーム作業の効率化→ワークスペース内での複数チャネルの活用
意思決定サポート→ワークリストカードの強化
情報共有の効率化→活動・タイムラインのリンク
複数環境利用の効率化→販売組織への情報展開加速
リード情報の精度向上→AIによる不要データ除外
顧客別の対応方法→タスクリストカードへの情報表示
顧客の反応チェック→顧客の作業に関する通知を入手
D365 Sales領域もデジタルセールスや、AIの活用などよりプロアクティブに動いていくための仕組みが多く実装されていくようですね。お客様には、自社の戦略やKPIを定義して、標準機能でCRMを活用して攻めのDXを実現してほしいです。
次は、Dynamics 365 Field Service領域をみていきましょう!
使い勝手の向上、データ保護など、Power Platformで自在にアプリをつくって、それを活用していく業務オペレーションシナリオが沢山つくれそうです!
次はDynamics 365 Customer Serviceの拡張をみていきましょうかね。
ウィザードが追加されたり、一覧情報の網羅性が向上したり管理者にはメリットがありますね!
IoTアラート・デバイス管理、ケース作成、メールテンプレート、顧客からのフィードバックなど、顧客との複数の対話を処理して、コンテキストロスを起こさずに複数アプリで対話、生産性向上によるワークフロー強化がなされていますね。
↓Dynamics365カスタマーサービスコミュニティアプリとコミュニティポータルテンプレート↓
Q&A、知識記事、製品/サービスのフィードバックなど、企業やコミュニティが生成したコンテンツを活用していく方針ですね。いろいろな情報が企業間で共有されるようになればいいですね。
↓知財管理↓
エージェントが顧客の回答をより迅速に見つけるのに役立ち、顧客がサポートポータルを通じてセルフサービスを提供できますね。
↓オムニチャネル↓
エージェントと顧客間の迅速なエンゲージメントと接続、スーパーバイザー側に運用効率のリアルタイムに可視化を実現することを目標にしているようです。
↓Teams連携↓
多くのDynamics 365 のアプリ同様、Teamsとの連携は今後もますます進んでいきそうです。
↓統合ルーティング↓
管理者とスーパーバイザー向けの機能拡張ですね。ルーティングプロセス中に発生するエラーと例外を確認できるようになります。割り当てを詳細に確認して、作業項目がどのように割り当てられたか、および一部の作業項目が割り当てられていない理由を確認していくことができるようです。
次はDynamics 365 Marketingの領域をみていきましょうかね。
人、部門、アプリケーション間でコラボレーションして、魅力的なキャンペーンを作成していく機能ですね。
↓データとAI↓
リアルタイムイベントを活用したジャーニーオーケストレーションでスピーディーなマーケティング業務のマネージが可能になりますね。ここは今後日本でも注目領域になると思います。
↓モーメントベース↓
データとAIを活用して、カスタマージャーニー全体のやりとりをパーソナライズすることができます。攻めのDX領域のデータを如何に積極的に捕まえるかは、今後の企業運営において大切なポイントだろうと考えていいでしょう。
次は、Dynamics 365 Human Resource領域を見ていきましょう!
↓人材育成↓
求人情報、コーチング・メンタリング、学習、採用というタレントマネージメント領域ですね。求められる資格と現在保持している資格のGAPを教育や採用に活かしていくシナリオです。
↓全般↓
旧バージョン側で運用している企業もあるようなので、移行処理が必要なんですよね。
↓統合と拡張↓
トレーニングデータの収集と可視化ですね。
↓組織と人事管理↓
組織内のグループ、法人、営業単位、階層の定義と自動化に関するところですね。
インテリジェントなタレントマネジメント機能を提供して、企業が適切な人材を適切な職務に就かせ、将来の投資計画に活かすことができる管理ができればいいですね。
次は、Dynamics 365 Commerce(流通・小売領域)を見ていきましょう!
ここはアップデートが膨大ですね。コロナ禍でリテール業界のビジネスの在り方が大きく変わってきていて、支払方法や通信販売機能の拡充、Power Platform-Virtual Agent機能との連動など、多種多様なオーダーリングやペイメントへの対応がマーケットからもとめられています。また、どのようにインサイトをとるか、チャネルで利用されるメディア資産の管理、B2Bビジネスへの促進、販売契約への対尾いう、A/B実験に関するライフサイクル分析、チャットの活用によるコマースサイト顧客の獲得などのシナリオをカバーするための投資がなされているようです。
続いて、Dynamics 365 Financeにいきましょう!
一例をあげると経費精算や仕入請求に関わるデータをOCRで読み込んで計上までといったエンドツーエンドのビジネスプロセスに関する自動化、年末決算に関するエクスペリエンスの強化、データレイク内のデータを使用した分析レポート、包括的なサブスクリプション課金など、コア財務機能に追加の拡張機能が施されていますね。パフォーマンスを考慮して、財務分析コードを使うのではなく、財務タグというコンセプトがあるんですね。あとはD365BC同様に銀行勘定調整周りの機能に拡張が入ってきていますね。
ロシアの固定資産管理領域に、アセットマネージメント連携やリースとの統合が出てきていますね。電子レポートの並べ替えが簡単になったり、税務監査や報告業務のオペレーションを簡素化するサービスが追加されてきています。秋には、「グローバリゼーションスタジオ」という機能が出てくるんですね。ローコードグローバリゼーション機能を強化し、グローバリゼーションサービスとマルチカントリーコンテンツをファーストパーティおよびサードパーティのアプリで利用できるようにし、構築済みのISVコネクタで拡張できるようです。監査法人で、こういうところのサービスをメニュー化できるといいですね。
次は、Dynamics 365 Suppy Chainに行ってみましょう!
↓在庫・物流↓
サプライチェーンの可視性、回復力、および効率を高めるソリューションが追加されていますね。
↓製造↓
製造業務の回復力を高めることを目指す企業は、オペレーションを中断することなく、自動プロセスと手動プロセスの両方からのデータを統合する製造実行プロセスを必要としています。使いやすさ、復元力の向上、そして常にデータを最新に保つための工夫がされてきています。
↓計画↓
ランタイムが数時間ではなく数分であるほぼリアルタイムの計画作成(Planning Optimization)により、企業は1日に数回戦術計画を更新できます。これにより、補充計画の判断にかかる時間を削減し、最低限の在庫レベルをたもち、需要と供給のドラスティックな変化に対応するための回復力を向上させることができますね。
新しい在庫およびロジスティクス機能は、組織がサプライチェーンの可視性、回復力、および効率を高めるのに役立つと思います。主要な製造プロセスに回復機能を搭載し、プロセス業界の顧客が中断することなく大規模にミッションクリティカルな製造プロセスを実行できるようになりました。数年前に計画自体の実行方法を変更したことはホントに良かったと思います。計画最適化の機能強化により、製造業界のフットプリントが大幅に拡大し、エキサイティングな新しい需要主導型資材所要量計画(Demand Driven MRPのことです)機能が追加されましたね。時代にあった対応ができる、素晴らしいソリューション群になってきたと感じています。(嬉しい!)
次は、Dynamics 365 Intelligent Order Managementについてみていきましょう!
デバッグエクスペリエンスを使用して、Intelligent OrderManagementシステムを監視できるようになりました。パフォーマンスの異常検知を行い、問題を診断することでシステムの状況を把握するための分析ツールを実装しているようです。
↓B2C機能強化↓
消費者は、購入と注文の配送に、リアルタイムのステータス更新を期待しています。さまざまな通信方法を使用し、注文の更新を顧客に提供することにより、消費者の期待に応えます。注文の確認、配達の遅延、注文の返品状況などのイベントに関連するコミュニケーションにより、顧客に注文の最新情報を提供できるようになりました。これにより、不要なカスタマーサービスへの問い合わせを回避し、顧客のロイヤリティを高めることができますね。
この機能拡張では、構成可能なビジネスロジック(例:過去の需要を考慮して、リアルタイムの最適な履行計画を作成、InventoryVisibilityAdd-inとの緊密な統合を活用すると、倉庫全体の在庫に関するリアルタイムの洞察を得ることができる)に基づいて、顧客が注文決定においてより高いレベルの自動化を実現でき、ニーズの変化に応じて柔軟に対応できるようになります。
拡張された機械学習とPowerBI主導のダッシュボードを使用すると、注文の取得、履行、返品のプロセスを通じてイベントに関する洞察を得ることができます。
注文の取得、ロジスティクス、フルフィルメント、および配信のプロセスフローでソリューションのエコシステムに接続する機能を活用することで、連携利用可能で、すぐに利用できるプロバイダーを拡張し、プロセスと要件の変更に応じて、迅速な展開と迅速な再編成を可能となります。
どういうエコシステムと接続できるかというと、下記のようなのですが、ここにNAV2016が何故あるのかな?と思いましたw(どこかの企業をベースに、このIntelligent Order Managementはつくられたのかもしれませんね)
比較的新しい機能なので、まだIntelligent Order Management(IOM)について、あまり知識がない方もいらっしゃるかもしれません。IOMは、eコマース、マーケットプレイス、モバイルアプリ、または電子データ交換(EDI)などの従来のソースを含む任意の注文ソースから注文に関わる詳細な情報をキャプチャするために必要な柔軟性を提供します。バックオフィスでは、自社倉庫、サードパーティロジスティクスプロバイダー(3PL)、店舗からの注文を処理したり、既製のコネクタを使用して、ベンダーやその他の配送パートナーとの連携を行うことができます。これは、Microsoft PowerPlatformコネクタのエコシステムとして構築ができるということなので、日本の配送業者、日本の倉庫業者と連携ができれば、ユーザー側にメリットが大きいですね。(ここ、儲かりそうですねw)
続いて、Dynamics 365 Project Oprationsの拡張を見ていきましょう!
↓新機能と計画↓
リソースおよび在庫を利用しないプロジェクトにおけるのベンダー請求書照合機能、Dynamics 365 Project ServiceAutomationからDynamics365 Project OperationsLiteへのアップグレード、プロジェクト実績のタイムゾーンにとらわれない価格のバリデーションロジック、見積もりのバージョン管理とと有効化チェック、日当管理、外部プロジェクトのスケジューリング連携などが今回実装されていますが、正直、まだ製品としてのプロジェクト管理業務の網羅性が高くないので、コンサルタントとしてはもう少し拡張がされるまで静観したいところです。在庫やリソースを含むプロジェクトにおいて、Dynamics 365 Financeと連携し、プロジェクト後のサポート契約まで網羅できるようになれば検討したいと個人的には考えます。
では、後半はInsight系(洞察を与えてくれるAI)を2つほど見ていくことにしましょう。まずは、Dynamics 365 Customer Insightからいきましょうかね。
今回は下記の領域にアップデート、新機能があります。
↓活動管理↓
データを事前定義されたアクティビティ、およびエンティティスキーマにマッピングすることにより、データから意味のある属性を収集します。予測モデル、セグメント、およびメジャーで利用することができます。
↓B2B↓
サードパーティのデータプロバイダーとのパートナーシップに基づいて構築されており、インテントデータを購入し、適切なタイミングでオーディエンスに合わせてメッセージングを調整します。つまり、確率的マッチング、匿名プロファイルマッチング、B2CおよびB2Bデータマッチングなどを通じて、適切なアカウントコンテキストと洞察を提供することができるようになるということでしょう。業界固有の標準メトリックのテンプレートとライブラリを使用することも可能になるようです。
↓同意管理↓
リアルタイムのパーソナライズシナリオ中に、顧客の同意の許可と設定が確実に尊重されるようになるということのようです。
↓エンリッチメント↓
顧客データを保護し、安全なデータコラボレーションを行う事で、プライバシーが有効なワークフローを使用して、顧客のデータを制御できる機能のようです。
↓知能↓
AIベースのモデルを使用して、顧客の行動を予測し、機械学習モデルを活用し、自動化されたビジネスインサイトを即受け取ることができる機能のようです。
組織が顧客に関するデータを理解し、顧客のパーソナライズを推進できるようにする顧客データプラットフォームがこのCustomer Insightです。具体的には異なるデータソースから顧客プロファイルを統合したり、AIによる予測などの機能があるわけですが、Dynamics 365、Microsoft Power Platform、Azure Synapse Analytics、Microsoft Dataverseとの統合を活用することで、組織のコスト、構成の複雑さ、および価値実現までの時間を短縮していくことが可能です。
続いて、Dynamics 365 SCM Insightを見ていきましょう!
こちらも、Ignite秋まつりで解説をさせていただきましたが、簡単に説明すると予測可能で弾力的なSCMを構築するための機能だといえると思います。すなわち、課題や障害が発生する前に、問題を検知、予測、および軽減するために実装されてきたものです。
↓新機能と計画↓
Dynamics 365 SCM Insightを活用すると、下記のことが実現できそうです。
社内の製造プロセス、資産、サプライヤーと顧客の複数の層、サービスプロバイダー、ディストリビューター、3PL、および自然災害、パートナーの財務状態、地政学的および気象イベントなどの外部要因に対するエンドツーエンドの全体的な可視性を取得。洞察とリスクをタイムリーに評価して明らかにし、SCMマネージャー、持続可能性責任者、ビジネスリーダーたちが、AIを活用して、よりプロアクティブな行動管理。内部および外部の利害関係者間で緊密なコラボレーションを行い、リスクを効果的に管理し、回復力、持続可能性、および効率を最適化するために必要な意思決定。
いやはや、まさに、コロナ禍だからこそ、うまれきたアプリケーションといえるのではないしょうかね。
最後に、Dynamics 365 Fraud Protectionを見ておきましょう!
↓新機能と計画↓
アカウント保護、購入・支払保護、損失防止を統合し、パートナーや企業が不正を効率的かつ効果的に発見して対処するための改善がされています。
ウェブクライアントだけでなく、ネイティブモバイルアプリケーションへの対応、Power Apps Portalも保護できるようになってきています。マイクロソフト社がリテールという実業をもっているので、これらのアップデートはユーザー・パートナーともに相当なメリットがあるといえるでしょう。
いやぁ、Dynamics 365の次の春のアップデートも膨大ですね。
本日、ここに記載してきた内容は、現段階でアナウンスがされているものなので、予定通りリリースされないこともありますので、ご理解いただければ幸いです。
いやぁ、それにしても春のアップデートも大量にありますね。どんどん便利になっていきますが、スピード感が半端ないので、私も、しっかりと学習・検証を進めていきたいと思います。
それでは、今日はこのくらいにして、冬のオリンピックを楽しみたいと思います。
それでは、今日はこのくらいで!Let’s Go Moooore Dynamics and Power Platform !!