Dynamics User Group Summit EMEA 2019 参加報告(オランダ)

29 3月

皆様、おはようございます。Dynamics レポーター、室長こと吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications)です。アムステルダムから3回目の投稿になります。

この数年、この時期は海外出張が特に多く、世界に誇れる日本の桜をじっくり見る機会に恵まれていません。花見いいですよねー。皆さんは、社会人になりたての時、場所取りとかさせられませんでした?いやぁ懐かしいなぁ。最近は、新人の方に場所取りとかお願いするのでしょうか?

オランダでは、ホテルのそばに桜が咲き始めていました。じゃぁ、日本はどうかというと、東京ではどうやら七分咲きのようです。

やばい、やばい。本当に綺麗ですねぇ。これらの写真は知人が撮ったものなのですが、たまらんですねぇ。年齢を重ねるにつれ、より魅力的に見えてきます。機会があれば室長も花見の仲間に入れてあげてください。

さて、今日はUser Group Summit EMEAで得た情報を共有したいと思います。3月27日-29日の3日間開催中です。

場所は、RAI Amsterdamというカンファレンス会場です。アムステルダム開催だと、だいたい僕たちはここになります。2017年と同じですね。

宿泊しているApollo Hotelから徒歩10分-15分です。途中に日本食レストラン(おらんだや)もあって、完全胃袋日本人の室長にとって、ここアムステルダムは好都合な出張先です。

更にその途中にミッフィーショップがあるので、お土産を物色される方にも丁度いいのです。

そうそう、このタワーが目印です。これを見ると、”あー、そこね!”という方もいらっしゃるかもしれません。

右に曲がると、見えてきましたぁー!

入口で、知人でありMS MVPのアンドレと、昨年度からマイクロソフトに入社したフレデリック(以前はMS MVP)に出くわしました。MVPシール貼られてしまいました。やばいな。明日明後日はハンズオンに出ようと思っているのだが、何かやらされるかもw

彼等ナイスガイなんですよね。仕事もできるし、ユーモアもあって、悔しいくらいいい男たちなんです。自慢の仲間たちです。

さて、いよいよオープニングです。

いつもは最前列にいくのですが、今回はあえて撮影機材がある真後ろの真ん中あたりに陣取ってみました。

キーノートは、イベントモバイルアプリで見ると、Kees氏と先週シアトルで開催されたグロサミでもお会いしたMuhammad氏が登場するようです。

まずは、Dynamics User Groupを設立したAndy氏より、開催のご挨拶から。

Andy氏から、Dynamics User Group EMEA の責任者であるLuc氏のご紹介。(名前からベルギーの方かな?)

あ、やっぱりベルギーって書いてありますね↓

10年ほどITの会社にいて、その後15年マイクロソフトにて勤務、その後に独立してISV(業種別ソリューション)を開発している会社の社長をされているようです。ここで、

”本日の参加者は2700名ほど”

とアナウンスに続いて、欧州のユーザーグループに属すメンバー数や法人数、ボランティアの数やSNSのフォローワー数のご紹介がありました。

続けて、本日ここにいらしてくださっている皆様はセッションに参加して学ぶだけでなく、コミュニティーを一緒につくってくださっている方々。知識を共有し、ビジネスの成功に向けてご協力いただいており大変感謝していますと述べられました。

続いて、Kees氏が登場し、データの重要性について。

Dynamics 365は、近代的・統一感のある・知的な・適応性の高いクラウドネイティブなサービスであると説明し、Power Platform(Power BI・Microsoft Flow・PowerApps)がユーザーの生産性をあげていくと補足しました。

そのうえで、本日はマイクロソフトのビジネスアプリケーションを活用してデジタルトランスフォーメーション(DX) を加速化させる方法についてデモンストレーションを交えてプレゼンテーションを行うと説明。

マイクロソフトのサービスを活用してデジタルフィードバックループ、

すなわち、データをフル活用し、社員に力を・顧客とのよりより関係性の構築・オペレーションの最適化・製品/サービスの改良を行うことをマイクロソフトは目的としていますと。

我々は、特に3つの領域に着目しています。

一つ目はAIです。AIによるコミュニケーションや、認識・認知(英語ではパーセプションを使ってました。これはマーケティング用語で消費者・顧客の購買意欲を支配する大きな要因をあらわす言葉です。)を活用した新機能であるCustomer Insight。二つ目はMR(複合現実)です。2月にバルセロナでHoloLens2をリリースしました。リモートアシストという機能を活用し、遠隔地からのフィールドサービスエンジニアのサポートをどのように実現するか?デモンストレーションを行います。三つ目はPower Platformです。データ中心の世界を創り出すパワフルなツールを活用し,企業がどのようにDXを実現しようとしているか?を説明します。

我々は、マイクロソフトのミッションである、”世界中のあらゆる個人や組織がより多くのことを達成できる”ようにするために、本日ご紹介する3つが非常に重要だと考えています。

最初はDynamics 365 Customer Service。ここで驚いたのが、D365 for TalentでおなじみのLydia Williams氏が登場しました。(若くて優秀な子には沢山チャンスが与えられるんだな)

彼女が紹介してくれたのは、HP社がDynamics 365 Customer Engagement とBot Service、Microsoft Flowなどを組み合わせて実装した”HPバーチャルエージェントデザイナー”(HPさんでは、こう呼んでいるのかな?)でした。

架空のエージェントがユーザーをサポートする仕組みです。どのようなサポートをすべきかボットサービスが提案してくれます。

また、蓄積されたお問合せのデータから様々な洞察(Customer Insight)を得る事ができます。過去のお問い合わせの傾向を把握して、バーチャルエージェントが先回りし、その時に最適な解を提案してくれます。

プリンターが壊れたときはどうしたらいいか?どのように対応すべきか?などの条件分岐もかこのデモンストレーションのように簡単に作成することができます。

メールアドレスから過去購入したプリンターを特定し、

IoTやMicrosoft Flowを活用し、プリンターの問題を特定することもできます。

これ、バーチャルなんですよ?人の手を介さずにここまでの対応がAIによってできるようになってきています。生産性の低い仕事はAIに任せて、創造性や企画力の必要なクリエイティブな仕事に社員が時間をさけるので、業務効率や生産性が高まりますよね。とLydia氏は締めくくりました。

Kees氏は、カスタマーサービスのオペレーションはDynamics 365  Customer Service Virtual AgentとDynamics 365 Customer Service Insightsを活用することで劇的に進化させることができると結論づけました。うまい。ストーリーがいい。

続いて、Connected Manufacturingについて。

ここからはKevin氏の担当です。

マスタープラニング、リプラニングなどについてデモンストレーションが行われ、そのほかに異常検出・先を見越したサービスの提供・リソースの最適化・スケジュールの自動化・遠隔地サポートなどの説明を補足しました。

工場内作業員稼働の見える化による、作業計画の立案が容易になります。

作業員スケジュールの自動化。

続いては、HoloLensを活用した遠隔地サポート。↓PVを是非ご覧ください↓

PVが終わると、会場は沸きましたが、一方でそんな簡単に修理できるわけないだろ!的な失笑にも聞き取れました。でも、皆さんね。業務がイメージできることが大切ですなんです。きっとそのうちHoloLensがコモディティー化されて価格が落ちてくると、デファクトになる気もします。労働人口が減って、職人のナレッジのシェアも課題だらけなので世の中に必要なソリューションだと思います。

個人的に、このパートのConnected Manufacturingのデモンストレーションは斬新でした。IoTや外部データを活用し、工場の個々の機器の高度化・自動化、ライン統合、工場内最適化、工場間最適化、フィールドサービスエンジニアの作業スケジュールの見える化及び自動化は、デジタルサプライネットワークの一つのノードとして工場を捉える、所謂スマートファクトリーを実現するために必要な機能群がついに出てきはじめたなと感じました。

実は昨年度秋に、マイクロソフトがDynawayという資産管理ソリューションを買収しました。

機械(固定資産)の資産保全管理機能が、Dynamics 365 Financial and Operationsに標準搭載されると、いよいよスマートファクトリーの運営に必要な機能がそろってきますね。いやぁ、斬新なデモンストレーションでした。

最後に、ユニークなビジネスプロセスのシステム化を可能にするPower Platformについて。Kees氏はデータの一元管理を実現するための非常に強力な武器になると説明しました。

Power PlatformのデモンストレーションはWim氏が担当です。

ここでは、バージンアトランティック航空で、Power Platformの活用が、生産性の向上、デジタル化、社内ITの開発時間の短縮化に、相当役立っているということを強調しました。

デモンストレーションは、AzureやOffice365も併せて活用した予約管理システム、各種承認起案や実施承認、フライト状況の見える化に関するものでした。

顧客プロファイル情報には、予約フライト、過去の利用実績などが確認できます。

過去に出向いた事があるか、ドクターにかかっているか、アレルギーはあるか、高血圧の症状があるか、過去6か月に手術をしたことがあるか、妊娠しているか?などのアンケートに答え、署名をします。

下記のようなメッセージが出てきます。(うん、かっこいい!)

Dynamics 365 Customer Engagement のコンタクトには、搭乗するフライト情報以外にも、Spaの予約履歴なども確認することができます。

ここからはPowerAppsの構築方法についての簡易デモンストレーションが行われました。機体に搭載する燃料を決めるアプリ。

乗り継ぎのフライトがあるから急ぐ必要があり、もう少し燃料がいると試算、マネージャーが承認しなくてはなりません。このような変更はより高度な計算ロジックが必要で、シーズンにも依存したりしますと解説。なるほど、冬はもっと燃料が必要だったりするんだろう。

Office365とMicrosoft Flowのフル活用。

詳細な条件分岐も簡単にパラメータで設定可能です。

フライトに必要な燃料も機械学習で予測値を算出。

バージンアトランティック航空では、フライト燃料のログ解析をPower BIで見える化しました。ここで、燃料変更のリクエスト、フライト別に追加でかかった燃料コスト、急いだ理由による燃料コスト増、国別の燃料決定状況などが確認できるのです。

最後にWim氏は、Power PlatformはDynamics 365 やOffice 365を横断し利用、かつ企業の要件に個別に対応し、多岐にわたるビジネスプロセスへの適用を可能としたローコード開発ツールです。

PowerApps、Microsoft Flow、Power BI、Dynamics 365、Microsoft Teams、Azureと合わせて活用し、企業のデジタルトランスフォーメーションにお役立ていただきたいと思いますと締めくくりました。

Kees氏は、Dynamics 365 for Talent(人事管理)にも4月のリリースで結構な拡張が入ることを付けくわえました。

ここで、Muhammad氏が登場。

南半球と北半球で季節が違うので、これからはSpring / Fall Update という表現をやめて、April/October Updateとします。(会場笑)

4月にアップデートされるDynamics 365とPower Platformには350以上の新機能があります。また、Dynamics 365 Customer Insights, Dynamics 365 Fraud Protection, Dynamics 365 Virtual Agent for Customer Service, Dynamics 365 Guide, Dynamics 365 Product Visualize, Microsoft Flow Proという新たなアプリケーションがリリースされます。皆様は、リリースノートを見てくださいましたか?もし、まだであれば是非ご覧ください。

今後は、Dynamics 365のR&Dチームでは、サービスアップデートの3か月前にリリースに関する概要説明(リリースノート)を出し、2か月前にパートナーやユーザーがテストができるように準備を進めていきます。

過去の自分のMCS(Microsoft Consulting Service)所属による経験から、製品・保守・パートナーの健全性がミッションクリティカルシステムの運用に不可欠であると説明。

ここでShelly氏がパネルディスカッションに参加し、異なるバージョンからDynamics 365 Financial and Operations へのアップグレードを行う場合の補足解説を行いました。

Muhammad氏は、サポートカスタマーへのミッションクリティカルサポート、SLAやパフォーマンスの改善についての説明。マイクロソフトの中では、カスタマー別のインシデントやインシデント率をKPIで見ているが、パートナーのケーパビリティーをウェビナーやワークショップでも評価していきたいと述べました。

更に、マイクロソフトにはいろんな事業があるため多岐にわたるビジネスプロセスがある。また、社内でもまだリテールはDynamics AX 2012がつかわれてるが、Dynamics 365 Financial and Operations にアップデートしていきたい。CRMも新しいバージョンにしていくつもりであることを説明。社内でも、Power Platformを活用することで、多くの業務改善をスピ―ディーに行う事が可能になったことを説明しました。

最後に、皆様からの製品/サービスなどへのフィードバックをお待ちしておりますと締めくくりました。

Kees氏は、Microsoft.com/Learnで82時間以上も、Azure・Dynamics 365・Power Platformについて学習できるコンテンツがそろっているので是非活用してください。

明日木曜日に予定されている下記の2セッションで、Dynamics 365 Financial and Operations/ Dynamics 365 Customer Engagement のアップデートに関するセッションがあるので、見逃さないように、そして質問がある方は展示会場のDynamics 365とPower Platformのブースに来てくださいと説明し、

以上で、オープニングキーノートは終了となりました。

コンセプトとデモシナリオが物凄く考えられていますね。素晴らしいなと感心しました。

過去のSummit EMEAと比較して真新しかったのは、やっぱりHoloLensでしょうか。

女性ITが集まる、Woman In Technologyも盛り上がっていました。

展示会場を見てみましょう。

いやぁ、心落ち着きますねぇ。このエリアは。

実はLuc氏から冒頭発表があったのですが、来年の開催地は???

スペインのバルセロナ(2020年3月9日から3月12日)にて開催が決定とのことです!

今週、eXtreme365・Dynamics PACT CEO Conference・User Group Summit EMEAと3つのカンファレンスを梯子しましたが、なんとか、シアトルの時差ぼけがこちらに来ることで体内時差が調整されたようです。

金曜日の夜から日本へ向かい、土曜日に帰国、翌日の日曜日からマレーシアの首都クアラルンプールでDirections Asia 2019を主催者側として活動します。大変ありがたいことに会場はほぼ満席になる予定です。

当社Pacific Business Consulting, Incは、シルバースポンサーとして参加するので、スポンサーセッションもあります。仲間たちが”マニュファクチャリング”について熱く語るようです。個人的にも仲間が英語でプレゼンするのはものすごく楽しみですし、ワクワクします。頑張って!

室長は、セッションスピーカーもやります。弊職の直属部下のタケシくんのいつものスーパーオモシロデモからも目が離せませんよ(笑)

もう一つ、クロージングセッション直前に、Dynamics 365 BCのマイグレーションに関するセッションゲストにマイクロソフトアジアの方からお呼ばれしています。10-15分ほどで最新情報を会場の皆様に共有したいと思っています。

米国出張が終わり、オランダ出張が終盤、次はいよいよマレーシア出張です。まずは日本に帰って和食でエネルギーチャージしたいですね。私は残念ながら胃袋が純国産です。それでは、来週もDynamicsに頑張りましょう!

Let’s Go Moooore Dynamics ! See you at Directions Asia 2019 !