日本の皆様、お疲れ様です。Dynamics特派員、室長こと吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications)です。昨日のBlogに投稿しましたように、アメリカのカルフォルニア州にあるSan Diego(サンディエゴ)という街に来ております。
ロサンゼルスから約200kmで、JALでは直行便があるのですが、ANA便だとロサンゼルスか、サンフランシスコで乗換というのが典型的なパターンでしょうか。僕は、仕事とプライベートの旅行を合わせて8回ほど来ており、個人的にもアメリカでは大好きな都市のひとつです。
サンディエゴは、空母ミッドウェイやミラマーなど海軍基地の街として発展してきた人口約140万人(営業税が7.5%、ホテル税が12.5%)のいわゆる”市”です。メキシコ国境まで車で20分、スペイン領であった歴史的背景からエキゾチックな雰囲気が漂い、通年安定した地中海性気候(熊本県とほぼ同緯度)で、都会じみてなく、米国内では比較的治安もいい方だと思います。『America’s Finest City(アメリカで最も素晴らしい街)』と愛称され、こちらのアメリカ人にも大変人気があります。
ほら、ホテルの窓からの景色が最高なんですよ。ずーっと先のほうまでヨットが一杯に並んでいますね。
さて、昨日Blogに記載しましたように、Directions North America (通称:DirectionsNA)というイベントでこちらに来ています。DirectionsNAとは北米領域におけるDynamics365BC(旧製品名、Dynamics NAV、Navision)のコンソーシアムリーダーたちがマイクロソフトや他のパートナー企業からのスポンサーシップを募って開催される北米最大のD365BCパートナー会のことです。
いよいよ、開場です!
まずは、恒例ですが、スポンサー各社の皆様、ありがとうございます。スポンサーシップないとイベント自体が開催できませんからね。お金もそうだけど、参加する企業の方々がイベントを盛り上げるために”参加する”という事がとてもありがたいです。
彼、もう5-6年DirectionsNAの担当してくれているかな、名物司会になってきましたね。
去年、いろいろなDynamics関係の文字の入ったTシャツを脱ぎ捨て、最後D365シャツになるという荒業をやってのけたので、Dynamicsのパートナーの間では有名人になってしまったのです(笑)
まず、最初にコミッティーから、イベント登録者は867名(昨年度は796名)、基調講演数(3)、セッション数(120)、ハンズオン数(14)、ホテルロビーと展示会場にスポンサーブースがあることが説明されました。
続いて、Marko氏から恒例の感謝の言葉が参加者全員に。今年もメッセージが熱い!やっぱりDynamics熱いじゃないか!
グローバルマーケティングを担当しているToby Bowers氏( Senior Director,Microsoft Dynamics 365)が紹介され、彼から最新の数値情報の共有。
ここで度肝を抜かれました。導入実績数が220,000社、196か国になっている。。。SMB領域のERPの導入数で220,000って。。。(3月にタイバンコクで開催されたDirectionsAsiaでは160,000社という報告だった。こんなに一気には増えないはずだから、カウントミスだったのか?)
当社内でも数値情報のアップデートをするように早速依頼をかけました。どうやら、特に北米領域ではD365BCのビジネスは堅調なようです。(欧州よりも北米)
市場からのフィードバック
基幹システム領域には、810億ドルものビジネス機会があるようです。
まだまだSMBにはERP/CRMのマーケットが隠れていますね。
Dynamics365は、AzureやOffice365と連携し、
クライアントのデジタル改革をサポートしていくために継続的な改良をお約束します。
Microsoft Dynamics 365 Business Centralは、近代的・統一感・知的・適用性というキーワードをもとに開発されているサブスクリプションベースのビジネスアプリケーションです。
なるほど、ここから展開させるのね。
まずは近代的なというところから、D365BCをインストール。恒例になってきたプログラムマネージャーのJannik氏によるデモンストレーション開始。
UXの変わったロールセンターのチャートをクリックすると、
選択した顧客のマスタへ一気にドリルイン!
埋め込まれたPower BIレポートも、さらに動的に使いやすくなった。
各伝票/マスタリストから利用できるフィルター機能が拡張された。
40000番台と、ADM部門でフィルターをかけると、
在庫リストを選択して、”Ctrl+C”を押下すると、コピーができる!Excelっぽい操作性に近づいてきましたね。
勿論、Outlookに”Ctrl+V”で、そのまま張り付けることができる!
古いバージョンからご利用のユーザーにとっては、F8を押下すると、カーソルのあるフィールドに上のフィールド情報をコピーしてきてくれる機能を用意した。(ここはもともと2009のクラシッククライアント以前ではあった機能)
品目リストを表示し、
”Ctrl+Q”ボタンを押下すると、アクションを入力できる画面が出てくる。ここでもフィルター機能が有効活用できる仕組みを用意している。
続いて、Office365との連携と題して、Microsoft Invoicingについての説明、
このように、クレジットカードで、支払いまで完結できる仕組みを用意した。
春の更新から、今回は100以上の機能拡張をおこなった。
パートナー/ユーザーのの声に耳を傾け、下記に関する拡張を行ってきた。 AI領域では、債権回収に遅延が出そうなクライアントを特定し、↓画面の右下の数字”4”をドリルインすると、
4請求明細が確認できる。
回収が怪しいと思われる得意先への見積もり/受注をブロックするシナリオを紹介した。
”I Tell Charles?”
最初は何の事かと思ったのですが、Landed Costを管理する機能はあると聞いていたが、パッケージによって機能名が異なり(D365BCの場合はItem Charge)、ユーザーが機能を探しにくいというフィードバックがあった。これをAIで音声としてとらえようとすると、I tell Charles となることもあり(ほんとかよ?)I Tell Charles とアクションフィールドに記入すると、Item Charge機能が検索にひっかかるという落ち。会場は大爆笑でした。いつものことながら、Jannik氏はユーモアのセンス抜群!
2018のアップデートでは、SaaS版とオンプレミス版(設置型)をリリースするが、マイクロソフトはお客様のビジネストランスフォーメーションを実現することが目標なので、
On-PremiseのBC、GP、NAV(旧バージョン)などから、SaaSのBCへデータを複製する方法を用意した。
クラウドにデータを複製することのメリットを解説、
Directions史上初の、Dynamics GPの紹介!これはすごい、歴史的な一歩ですね。(いやぁ、あがるわぁ、これ)
バトンがChad氏に渡され、GPオンプレミスの画面に、BCを使うメリットについての記述があり、Get Started をクリックすると、
おっと、D365 BCの概要説明YouTubeが立ち上がる。
Business Centralへのリンクをクリックすると、
なんと、オンプレミスGPのロールセンター内にDynamics365シリーズへアクセスできる入力画面がでてきます。
データの複製が終わると、下記のように見える(複製するのにちょっと時間がかかるので事前に準備していたと解説
複製Jobキューの結果を確認できる。
スケジューラーを設定できる画面が用意されている。
GPの中にクラウド上のBCでデータを見える化したキューやPower BIレポートが確認できます。
機会学習を活用したキャッシュフローの予測も対応可能となります。
こうなると、当然モバイル端末用のクライアントも活用できます。
更に、Power BIのメリットも享受できます。
ここでバトンがMarko氏に戻り、ロードマップの話。ここでストーリーが崩れるのか?
本日、今この瞬間にDynamics365BCの秋のアップデートを含みリリースされました。(歓声!)オンプレミス(設置型)は明日10月1日よりリリースとなります。オンプレミスもライセンスはネームドライセンス体系に変わるようです。(NAV2018では同時接続型ユーザーライセンス)
GP2018 R2は10月後半リリースとなります。昨年度からGPのパートナーの参加率が高くになってきまていますから、そこらを配慮した記載なのでしょうか。実際GPパートナーがD365 BCの導入サポートを開始するという状況が北米ではケースとして報告があがってきています。
次はロードマップですが、2019年はユーザーの業務効率をあげるための改良を、そして2020年は少し怖いですが、”Web Client Only”と記載があり、ウィンドウズクライアントを廃止するという事でしょうか、マイクロソフトとしてウェブの使い勝手をあげるサポートをパートナーとやっていくので一緒にチャレンジしようというメッセージがありました。さらに、”CDS(Common Data Service)+ Data + Intelligence”領域への拡張をしていくために日々チーム内でディスカッションを継続しているという解説がありました。
Go to Marketというキーワードでは、再びToby Bowers氏にボールが戻され、
マイクロソフトとしてのFY19の戦略(優先順位)について解説し、
下記の投資をパートナーとの成功のために実行し、一緒にマーケットを拡販するためにアクションを取っていくことが解説されました。
ここで初日のキーノートは終わりました。個人的には導入実績数があれだけ一気に更新されたことへ違和感/疑問を感じました。またGP/SL(北米領域にメインに展開されているマイクロソフトのSMB ERP)をD365 BCへ移管していくためのスキーマなどが、これから更に整備されていくわけだから、米国マーケットは盛り上がるだろうし、GP/SLパートナーはD365BCビジネスに舵を切ることになるでしょう。一方で、GP/SLを一生懸命使ってきたユーザー、強い思い(意思)でGP/SLを導入してきたパートナーたちには、D365シリーズに後継製品/サービスの移行パスがないというのは、非常に残念なお知らせだと思います。しかし、ここは、是非前向きに、未来が明るい方に舵をきって、我々D365 BCパートナーたちと、沢山コラボレーションしてほしい、そう感じた初日のキーノートでした。
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2日目のオープニングもToby氏から、
今日は、アルゼンチンで育ったグローバルマーケティング担当のCecilia Flombaum氏がお話をするようです。今回Toby氏もCecilia氏もDirections初登場です。
主には、ISV、チャネル開拓、実ユーザーへの投資(サービスの改修/新機能)についての解説でした。
”Many recipes for success”という表現を使っていましたが、成功するためにはいろんな方法があるよね。でも最適なことを、最短でやっていきましょうという趣旨の説明。正直英語もわかりにくく、ちょっと米国の基調講演でお話をするレベルにはない語学力でした。アメリカ人にはストレスだったのではないかなと気になりました。
ここからは、Claus氏の出番。
メインはデモ環境の構築と学習方法についてでした。CSP(Cloud Solution Partner)についても改めて説明がありました。特に、トレーニングのためのオンラインビデオの充実、
プリセールス用ドッカーイメージの共有などの対応をしてきたという解説。
次は、Dmitly氏が参画して、Extentionsという開発ロジックを学ぶトレーニングをパートナーとどうすすめてきたか?という話(おいおい、当社は受講させてもらえてないですよ。ま、いつものことですが、自力ですねw)
つづいて、イベントレコーダーについて新機能のリリース。これは超便利!
Cecilia氏から、プロジェクトを成功に導くためにと題して
認定資格の復活、クラウドアプリケーション/SMBクラウドマーケットへの台頭、テレメトリーなどについて説明。
Dynamics365BCのAdmin Center、サービスアップグレードの管理やタイムスケジューラーの設定、サンドボックス環境の簡易構築などについて説明。
ここからはテレメトリーについて
サンドボックスのテスト環境を簡単につくれるのは大きい。サービスアプリケーションの管理のためには必須機能だと思っていたので、開発を担当するコンサルタントにとってはうれしい拡張機能のリリースですね。
ここで改めてマーケッティング側で考えている市場拡販施策について概要説明があり、
ここで、昨日のMarko氏の説明の続きとして、2019年、VS Code +ALの改良、C/ALをALにコンバート、2020年には、VS Code +ALを開発ロジックの中心におくことを計画しているとのことです。開発者/ユーザーからの反発もあるかもしれませんが、ついにC/SIDEの時代は終わりをつげ、VS Code +ALの時代に突入するのですね。また、パートナー向けに、”CDS+Data+Intelligence Platform”の環境を充実させていくとのことでした。
初日、2日目のまとめ。開発側のデモンストレーションとして、”近代的”・”統一感”・”知的”・”適用性”をキーワードにプレゼンしたとし、マーケティング側は、下記の3つの”Ready”のために最善を尽くしていくと説明し終了。
今年は、いつもと異なり、スポンサーセッションが最初に90分ほどあり、そのあとマイクロソフトによる基調講演60分という2日間で構成されていました。確かにそうしないと、マイクロソフトのプレゼン/デモンストレーションが終わると、会場を出ていかれる方も多いですし、スポンサーに対して失礼ですからね。でも2時間半の午前セッションは長すぎますよね。DirectionsAsiaでもセッション構成をこのようにしたほうがいいかもしれませんね。実行委員内部で時間配分をまずは相談してみます。
さて、Dynamics365BCは、100以上のアプリケーション側の新機能/開発方法の刷新、さらにはISVパートナー/VARSパートナーの新たなサービス/製品がリリースされており、一気には追いきれないので、一旦このレベルでBlogはリリースして、あと2日間の中でコツコツ更新をかけていきたいと思います。
日本でのDynamics365 Business Centralをご紹介する機会ですが、11月1日の午後に日本マイクロソフトで開催する予定のセミナーが最初になるかと思いますので、是非ご来場いただければ幸いです。
What’s Dynamics 365 Business Central ~196ヵ国22万社の導入実績を誇るマイクロソフトのSMB向けクラウドERPとは~
追伸:室長はDirections EMEA 2018(オランダ) に参加中で上記セミナーは不在になるかと思いますが、現地からBlog等で最新情報をご来場いただける皆様には共有をさせていただきたいと思っています。
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最終日のクロージングでは、2日目の最後同様に、Business Central Roadmap/Win with Microsoftのスライドを使い、Marko氏のほうから改めて感謝の挨拶がありました。
その中で協調されたのは、”VS Code +AL”・”Windows Client Only”・”Ready to Win”でした。
実は初日に発表がありましたが、来年度は2019年5月5日-8日にアメリカのラスベガスで開催予定です。Dynamics365の春秋のサービスリリースに合わせて、北米/欧州でそれぞれ、春/秋に開催されることなるようです。(ラスベガスは7月にもInspireが開催されるので、あまりうれしくないですが)
10月29日-31日に開催されるDirections EMEA 2018においても、イベント概要/コンセプトは変わらないので、Directions North America で学習したことを、EMEAのイベントに活かし、より多くの参加者の皆様に、Dynamics 365 Business Central の製品概要/開発/アプリケーション/マーケティングについて正確な情報が共有ができるよう、学習を継続したいと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
それでは、本日はこのあたりで。Let’s Go Mooooore Dynamics !