おはようございます!いつも、このDynamics Blogをご覧いただき、ありがとうございます。吉島良平(Microsoft MVP for Business Applications)です。
いよいよ昨日から、開発者をはじめとする IT に携わるすべてのエンジニアのためのマイクロソフトイベント、de:code 2020がスタートしました。他のイベント同様、今年はオンラインでの開催になりましたので、都合のいいお時間に視聴できるのでいいですね。時間が効率的に使えます。今回は、なんと、3Dを活用したイベント参画もできるように準備されていました。
僕は、テレワークで引き籠り状態が続いているので、せっかくだから3Dで久しぶりにお出掛けすることにしました。うわー、なんか、すごいなー。今後の展示会&イベントはこのようなスタイルで開催されることも増えるのかもしれませんね。スポンサーロゴも見えたりしますね。アバターに扮した知人とすれ違うと、そこで立ち話もできるようになるのでしょう。これは、非常に興味深いですね。
さて、早速ですが、基調講演を、今回は日本語はそのまま、英語は若干の意訳をいれて、振り返っていきたいと思います。
僕は、ここからは2Dに戻しました。右側に知り合いたちのTweet情報が出てきています。
榊原CTOによるキックオフ!
皆さん、こんにちは。de:codeへようこそ。今日から2週間かけて、我々の技術情報をオンラインで、皆さんと共有していきたいと思います。宜しくお願い致します。
ここ数か月、私はマイクロソフトのミッションについて、深く考えるようになりました。
まさに、我々が今直面している危機に対して、私たちは何ができるのか?を問われている気がします。
私たちは、過去にも多くの危機に直面してまいりました。90年代初頭には、バブル経済が崩壊し、その数年後には、不良債権をかかえた金融機関が、数多く経営破綻しました、リーマンブラザーズの破綻によって、経済ショックがグローバルに広がりました。その傷もいえないうちに、東日本大震災によって、壊滅的な被害を被ることになります。復興の道をたどっている最中に、新型コロナウイルスの感染拡大による世界規模のパンデミックが起こっています。ですが、いつか必ずこの危機は、乗り越えられるというふうに私は考えています。
金融危機の際にも、フィンテックのスタートアップが多く立ち上がりました。リーマンショックの後には、シェアリングエコノミーが台頭して、新たな経済形態がITによって加速していきます。ITによって、我々はいくつの危機を、乗り越えてきています。今回も絶対乗り越えられると信じています。
ですが、道は平坦ではありません。何故ならば、我々の社会の課題というのは、単純な領域の問題から、複合領域にわたって、複雑なモデルを作っていくように進化してまいりました。今となっては、物事を単に電子化していた時代から、人や物流、事象の挙動を踏まえとらまえたソリューションをつくるこういう段階に来ています。非常に大変な世の中ではありますが、現在の危機に面して、私たちは新しい現実を見直す必要があります。
新たな社会規範、ニューノーマルといわれる規範です。私たちが、ニューノーマルで挑戦する日常生活、人は、常にソーシャルディスタンスをベースとした行動をとるようになります。物流も変わります。SCMも変わります。グローバルSCMは、より柔軟に、すべての経済が停滞している間でも、変化に柔軟に対応できるようにうまれかわっていくと思います。情報の世界も、フェイクニュースを防止したり、インフォデミックスといわれるデマの情報の拡散を阻止するような取り組みが必要になります。わたしたちの子供の世代は教育が、よりデジタル化されていくことになります。構造的に、フェースToフェースで授業をしていたそういう形態から、デジタルをベースとしたものの割合がどんどん増えていきます。私たちの働き方も、リモートをベースとして、働き方改革の更なる推進が進んでいくことになると思います。
こうした人々の行動変容を前提とした社会のスマート化に取り組んでいくことになります。社会のアーキテクチャーを考えると何層かにわかれて私たちの社会は構成されていることに気づきます。一番物理的な層には、地理的な基盤があります。道路、河川、トンネル、稜々という基盤の上に私たちはユーティリティーの基盤をもっています。電気、ガス、水道、通信。こうしたユーティリティの基盤(ライフライン)その上に、私たちの社会のサービスの基盤が出来上がっています。銀行、郵便など、社会に必須なサービス基盤が成り立っています。私たちは、この社会をかえていくために、よりITの力を、この各層にいれていかなくてはなりません。IT使って効率化し、より洞察のある社会にしていく必要があります。スマートシティーだけでなく、企業のデジタルトランスフォーメーションも、こうした全てのレイヤーのIT、効率化、これを前提として成り立っています。そのために私たちはITの技術を一生懸命適用していく必要がります。
つい最近、私たちはさまざまな最新技術と最新事例をご紹介しました。例えば、量子コンピューターを使って、非常に複雑な最適経路の問題を解く事例を紹介しています。深層強化学習に、シュミレーションと、マシンティーティーチングという強化学習を効率的にこなすためのドメインエクスパートの知識を学習データとして入れ込むAIのソリューション、Bons,aiというテクノロジーをご紹介しています。それから、リモート開発したり、機能をリリースしたりするIT技術者を支援するために、Remote DevOpsの技術をご紹介しています。Vistual Studio 、GitHubのコードスペースを使って、より効率的にリモート開発を行う支援をしています。
データに、より高度な解析とデータストアと、リアルタイムのインテリジェンスを組み合わせるというソリューションも提供しています。昨年の秋にリリースしたSynapseは、今回Synapse Linkというさらなる統合を紹介するに至りました。また、Big Dataの高速な処理、高度で複雑な計算を行うために、Open AIと共同開発したAI Super Computerのご紹介もさせていただいています。私たちの今後2週間にわたるde:codeデジタルでは、こうした技術をセッションとして一つ一つご紹介していきます。
これらの技術を活用した課題解決は、様々な立場の方々に、ご利用いただくことができます。これまで、数年かかってリモート勤務の基盤を構築してきたITプロの方々が、この数か月で一気にリモートワークの加速をしました。非常にご苦労をされている。ITプロフェッショナルな人たちが、メンテナンスする基盤の上に、ソフトウェアの開発をするプロフェッショナルなIT開発者の方々もいらっしゃいます。また、状況に合わせて、必要となる小さなアプリケーションを、その場で簡単に作成するシチズンディベロッパーの方々もいらっしゃいます。いろいろな立場の方々が、IT技術を駆使して、様々な課題解決に取り組む、そういう社会についに変わってきました。
より情熱をもって、社会に貢献したい。そういう方々が増えてきました。
いくつかの事例をご紹介します。
Covid-19 Raderというスマートフォンで利用できるアプリケーション。過去に自分と接触のあった方が、新型コロナウィルスに感染した際に、通知が得られるという優れたアプリケーションです。データのプライバシー性に十分配慮した形で開発され、これがGitHubに公開され、より多くの人達がこの開発に携わっている。これを情熱をもって皆さんが取り組まれている素晴らしい事例の一つだと思います。
Covid-19対策エンジニアというコミュニティーも是非ご紹介させていただこうと思います。会社の垣根を超えて、Covidに起因するいろいろな事柄をITで紐解いていこうということを推進されているITコミュニティーです。特別な課題だけではなく、例えば在宅で、自粛期間に、IT技術の学習を行う方々に支援を行う。そんなこともされています。
Covid-19に関わるデータを、より簡単に、より見やすい形で可視化をしたい。情熱をもって、こういったソリューションを提供されているMicrosoft MVPの方もいらっしゃいます。
私たちの社内では、社内アイデアソンを行い、どのような課題に、どのように対処していいかということを、つい数週間前にもおこなったばかりです。
また、技術職ではないのですが、3Dプリンターを購入して、フェースシールドを開発して、それを医療機関に寄付をされている活動をされている方もいらっしゃいます。
非常に行動力のある方々を私は尊敬していますが、そういう方々の熱い情熱によって、私たちの社会はどんどん変わっていくといえると思います。
従来からマイクロソフトはTech Intensityというキーワードを掲げてきました。Tech Intensityとは、Tech AdoptionとTech capabilityの掛け算からなります。
Tech Adoptionは、テクノロジーを如何に速く適用していくか?如何に適用しやすいビジネスモデルをつくっていくかを指しています。Tech capabilityとは、適用をすすめるためのスキル、人材、技術の選択肢を指します。かつ、これらの要素は、常にセキュア―であることと、プライバシーに配慮されていること、コンプライアンスに準拠されていること。信頼に足るものであるということで、Trustのべき乗という数式を書いていますが、これによりTech Intensityが高まる。テクノロジーに対する強みが、どんどん蓄積されてきます。この数式はそういったことを表しています。
私はもう一つ追加したい。Tech Intensityは、情熱をもって、初めて社会変革に寄与する。こういう数式を一つ追加したいと思います。
さて、私の話の後、5つのパートが基調講演として続きます。1つ目は、AzureとAzureの開発環境。今回も多くの発表がありました。2つ目はシチズンデベロッパーの方に力を与えるPower Platformです。3つ目はオフィスであっても、リモートワークであっても、安全で、高い生産性を提供するMicrosoft 365。4つ目はリモートワークになると、ますますその重要性がクローズアップされるセキュリティーに関する取り組み。そして5つ目は、HoloLens2に引き続き、Azure Kinect DKも発売になりました。ますます盛り上がってきているMixed Reality(複合現実)に関してセッションをお届けします。これら5つのパートは、別々にご覧いただくこともできますが、できれば全部見ていただいて、後続の技術セッションをみていただければと思います。では、de:codeデジタル、多いにお楽しみください。ありがとうございました。
次は、Azureと開発ですかね。デプロイ王子こと、廣瀬さんパートになります。
このセクションでは、2020年5月19日に48時間連続ビデオストリーミングで開催されたバーチャルイベントBuild 2020の発表からピックアップしてお話していきます。Build 2020では、Book Of Newsという発表内容のPDF、ページが公開されるのですが、今回も物凄い量で、その製品も多岐に渡ります。今回はその中から、特にエンジニア、開発者向けの発表内容をピックアップしていきたいと思います。
Microsoft Teamsは1日7500万人が今使っている状況になりました。Covidの影響で、多くの人がリモートワークにシフトしたという影響もあると思います。1日当たりの会議時間はもう41億分にもなっています。
Teamsを支えているのは、Azureのマネージドサービスとして提供されているPaaS群です。Azure Compute、Virtual Machine、Front Door、Azure DevOpsによるデリバリーなどの機能。デリバリーの対象として、Azure Kubernetes ServiceやAzure Cosmos DB などのサービスが利用されています。
様々なサービスで利用されているAzureですが、今日はこの中から、リモートエンジニアリングのニーズにこたえる様々な機能についていくつか解説していきます。
リージョン数は現在61になっています。最近のアップデートとして、東日本において、Oracle Interconnect.が始まりました。Oracle Cloudとの相互接続によってAzureやOracleのそれぞれのいいところが互いに共用することができるようになりました。
新しいサービス、Azure Static Web Appsです。
SPA(Single Page Application)、PWA(Progressive Web Apps)といわれているジャンルがありますが、これらを使っているものをJAMstackといいます。JAMstack、JavaScript、API、Markup、CSSなど、これら使ってアプリケーションを即座につくっていくというものです。Azure Static Web Apps、APIはAzure Functionです。GitHub Actionで統合して、シームレスなデプロイメント、運用(CI/CO)環境の実現です。加えて、元々もっている認証機能をつかって、アプリケーションの認証を行ったり、そういう機能をつかいながら、迅速にSPA、PWAの開発を行うことができます。
SPA、PWAのアプリ開発をできるのは、JAMStacだけではありません。.NETランタイムはウェブブラウザの中で動くようになりました。Blazor WebAssemblyでは、今までのC#.NETの環境をそのままWebブラウザの中で実行できるようになりました。
API含めて一貫してC#出かけるし、今まで作ってきた、C#のライブラリーを取り込んで、PWAだったりSPAをつくることができる。社内で作っている、アプリケーションをウェブアセンブリーに移植して、リアルタイムのアプリケーションをつくっていくこともできます。
Blazorは、Visual Studio 2019 16.6、勿論Visual Studio for Mac 8.6、Visual Studio CodeにC#のextension出始めることができますので、この機会に是非試してみてください。
Azure Synapse Linkは、
Azure Cosmos DBに蓄積されたデータをAzure Synapse からDirectにつないで分析までもっていくことができます。
従来OLTP、OLAPはアクセスのアクセスの特性、CPUの使い方も違うので、なかなか接続しにくい仕組みでした。ETLが必要ないというのも特徴です。
これまではデータを変換して取り込む必要がありましたが、ETLレスで直接分析ができ、また直接Power BIにて可視化することもできるようになりました。SCMの分析、予測、レポート作成、IoT予測、IoTデータで異常検知、機械学習、予測メンテナンス、パーソナライゼーション、ECサイトなどのパーソナル化をSynapseで解析して、それをフィードバックするなどの使い方ができるようになってくる。
今までのマイクロソフトの開発の在り方をもとに、ニューノーマル時代の開発の在り方を考えてみます。
従来からマイクロソフトはデジタルトランスフォーメーションを提唱しています。開発におけるデジタルトランスフォーメーションとは。安全に、イノベーティブに、高い生産性をもって、開発できるということ。
リモートで開発しないといけないという状況になっているのではないか、リモートデスクトップのセキュリティー、開発環境のセットアップ。品質どうするか。以前はみんなで集まって話して相談できていたが、テレワークで分散作業になるので、どのように品質を担保しようか?
ペアプログラミングがリモートに。デイリースタンドアップ、毎日一緒に開発をMTGやってきたが、これからは、どのように、チームワークをリモート環境で成立させようか?
お客様先にどう構築しようか、どうやって使ってもらか、サポートはどうしようか?当然ながら、セキュリティーも担保しないといけない。
Visual Studio Code、拡張機能とキーボードショートカットが全ての自分のVSC環境で同期できる。Mac, Linux, Windowsで動くVSCですが、VSC Spaceを使うとブラウザの中で動きます。Windows Virtual Desktop、リモートVDIの環境でも使うことができます。私はよくDDIをよく使いますが、ブラウザの中でVIの機能を使うことができる。拡張機能も既にセットアップ済みということになっているのですぐに開発に入れる。
Visual Studio 2019の機能強化です。Live Share、GitHub の機能強化によりリアルタイム共同開発が可能となりました。音声機能、チャット機能が追加されています。ペアプログラムで一緒にデバックしたり、ブラ育ポイントをチームで設定、複数人でLive Shareして、ここにブレイクポイントをいてみてやってみようよなどと話をしながら開発を進めることができる。
チームでの開発には計画も大切です。Azure Boardsは、Azure DevOpsの機能です。GitHub からも無償で利用可能です。エンドツーエンドでチケットの追跡もでき、スクラムなどのデイリースタンドアップMTGをする際に開発チケット消化状況、ビジネス側から要望されているFeatureなどを確認して、Teamsで画面教諭しながら、Azure Boardをみて、デイリースタンドアップMTGをして、今日のタスク状況どうでしたなどの話ができる。
Visual Code SpeciesのGitHub 版です。Live Shareを使う事も可能。よりGitHub に統合されたユーザービリティーになっています。直接ID関係に入って、GitHubの編集ができます。エンタープライズ向けのGitHub 、プライベートインスタンスが発表されています。企業向けにマネージドで提供さえるGitHub エンタープライズです。クラウドで且つエンタープライズレベルのセキュリティー、コンプライアンスを担保しながら使ってもらう事ができます。
ビジネスの人たちに限らず、開発の人にとってもTeamsはHubになりえます。TeamsのチャネルにGitHub Teamsアプリを追加すると、プルリクエストやイシューなどのレポジトリーの状況を常にみることができる。チケット、ワークアイテムもAzure DevOpsのアプリを統合することでみることができる。これにより、チームコラボレーション、開発コラボレーションを強化することができる。更に顔をみながらのデイリースクラム、音声、ビデオ会議することができる。ビジネスのステークホルダーの方と、Teamsを使いながら会議をすることができる。チャットベースで要件を聞いたりすることもできます。
Minecraft Earthについて。iOS、android版が日本語版で提供されていますので、是非ダウンロードください。
リアルな空間に、3Dオブジェクトでマインクラフトする。ここにAzure Mixed Reality Servicesが利用されています。空間アンカー(Spatial Anchors)がリリースされています。
HoloLensからだけでなく、タブレットやマホからアンカリングされた3Dオブジェクトを見ることができる。
Remote Renderingとは、エッジ側のマシンは非力なので、3Dレンダリングを強化する機能です。Azure側でレンダリングして、それをストリーミングすることで、クライアントのGPUを使うことなく、レンダリングを可能にする機能がRemote Rendering(Preview)です。
以上2つの機能が利用されています。
このほかにも様々なアップデートがありますが、是非、このQRコードからチェックしていただければと思います。短い時間ではありましたが、この後もde:code2020の各ブレイクアウトセッションをお楽しみください。どうもありがとうございました。
次はPower Platformです。Chalesさんと、平井さんからの説明です。
de:code 2020 へようこそ。ローコードプラットフォームのビジネスを担当していますチャールズラマナと申します。Power Platformに関する情報を自分のお気に入りの部屋からお届けできることに興奮しています。
今後5年間でつくられるアプリケーションの数は5億個。過去40年間でつくられたアプリケーションの数を上回ります。特に大企業におけるアプリケーション開発の需要はIT部門が開発し提供しうる数の5倍の勢いになっていくようです。また85%以上の組織でバラバラになっている分析に苦労しています。86%の組織でI、このような課題を解決できるT技術者の確保が難しくなってきています。また、ガートナーの統計情報によると、2024年までに65%の大企業のアプリケーション開発がPower Platformなどによるローコードになるといわれています。
Power Platformは、マイクロソフトが開発したローコードプラットフォームでOffice 365、Azure、Dynamics 365、その他の独立したアプリケーションを繋ぎます。4つのコア製品で構成されています。容易にデータを分析できるPower BI、 シンプルにウェブ、モバイルアプリケーションをを開発できるPower Apps、ビジネスプロセスや共通の業務フローの自動化が可能なPower Automate、チャットボットを構築できるPower Virtual Agentsです。全てのアプリケーションをローコードで開発でき、過去にないスピード感で課題を解決できます。
全ての開発者が今以上の構築/開発を実現できるようにPower Platformは開発されています。市民開発者といわれるIT部門以外の会計士や弁護士、事務職員や物流センターのスタッフが活用することで業務改善を行えます。SharePointやその他のシステム管理者にとっては、問題解決のツールになります。勿論プロの開発者にとっても、圧倒的なコーディングのスピード感が得られます。ノーコード、ローコード、コードファーストのコーディング分類に関係なく、あらゆるユーザー側の問題を解決していくことが可能となります。
Power Platformがターゲットとするのは、企業の洗練されたウェブサイトを構築するような大きなプロジェクトに限らず、インターネットを用いた物品販売領域にある莫大なビジネスプロセスやワークフローのデジタル化です。↓図における青色領域で投資や、社員やスタッフのスキルやマンパワーの課題でカバーできていないところです。ここにPower Platformを導入すると、コーディング時間が短縮され、IT部門以外の市民開発者も自ら課題を解決することができるようになるのです。構築できるアプリケーション、ダッシュボード、チャットボットは一つではなく、あらゆるビジネスニーズに対して、何千何万というレベルで量産していくことができます。
Power Platformは過去数年間にわたり成果をあげてきました。今やFortune紙の上位500企業のうち97%が活用してくれています。自動車、金融、小売、消費材メーカーなど様々な業界を代表する企業が、Power Platformに価値を見出しています。
更にこのモメンタムを加速させるために、新たにリリースされた機能について皆さんに共有したいと思います。
まず、Power Appsの中にMixed Reality(複合現実)機能を追加することで、モバイルアプリで3Dモデルの視覚化と地理的空間の配置が可能になりました。
Power Automateには、RPAによる業務を自動化する機能が追加され、マウスクリックやキーボード入力の操作ができます。これらは4月にリリースしたUIフローと、RPAプラットフォームでマーケットを成長させてきたSoftomotive(ソフトモーティブ)社の買収により実現できました。クラウドベースの新しく近代的なアプリケーションだけでなく、レガシーシステムや時代遅れのアプリケーションを簡単に自動化することができるようになりました。
Power Virtual Agentsには、新たな対話型のAIが搭載され、チャットボットを簡単に作成することができるようになったのです。
またPower BIからCDS(Common Data Service)へDirectQueryによる接続を可能としたことにより、Power Platformの多くの機能群を自由自在に連携させて利用することができます。CDSに格納されているデータをリアルタイムで更新し、Power BIダッシュボードを作成できるため重要な機能なのです。CDSにて設定されているセキュリティーや、ビジネス上のルールなどの全てを遵守しリアルタイムデータ連携を実現しました。
最後に個人的にも非常に気に入っている機能なのですが、CDSからのT-SQL接続を実現しました。これにより、開発者に人気のあるSQL Server Management StudioがCDSと接続できるようになりました。通常のSELECT文、や複雑なJoin句(結合条件)、Having句(抽出条件)なども書くことができるので、使い慣れた環境を継続活用し、開発スピードを更にあげることができるのです。これはPower Platformが開発者のニーズに応えるという目的を実現したケースの一つです。
以上の発表は、Power Platformの既存機能と合わせて活用することができます。
例えば、ビルトイン接続は300種類以上のクラウド、コンテンツ、データベース、APIなどに対応しています。クラウド接続はクラウドとオンプレミス環境も繋ぎます。例えば、Oracle、Db2、SQL Serverなどのデータベースに加え、SalesForce、ServiceNowなどのクラウドサービス、SAPなどのビジネスアプリケーションにも対応します。これらへの接続にはデータコネクターでセキュアに行われ、プログラムも、データ転送も必要ありません。オンプレミスとの接続の場合は、オンプレミスデータゲートウェイを介して、オンプレミスにあるレガシーアプリケーションに接続することができます。アプリケーションの近代化やクラウドへのデータ移行は必要ないのです。Power Platformの特長は、既存の多くのアプリケーションを置き換えなくても、オペレーションを変革することができることです。この後に事例をご紹介しますが、Power Platformの特長を活かしたスピーディーな展開を実現しています。
更に300以上の既存のデータコネクターに加え、開発者は業務上必要なカスタムコネクタをつくることもできます。登録処理をおこなったカスタムコネクタはユーザーが利用するPower Platformの画面に表示されるので、開発者は会社独自のカスタムコネクタの開発に集中し、市民開発者はPower Platformに表示されたカスタムコネクタを利用することができます。開発者と非開発者が共同作業を行う場になるのです。Azure、AAD(Azure Active Directory)、GitHub などの利用者は、マイクロソフトのクラウドサービス間の多くの連携が適用できるので容易にビジネスアプリケーションの構築ができるのです。
これは私が気に入っているダイヤグラムです。Power Platformは単体で利用するだけではなく、Microsoftの他の開発ツールと一緒に利用できることを表わしているからです。Power Platformと様々な開発ツールを用いると可能性は無限大です。AzureのサービスであるCognitive Service、Logic Apps、Functionsや、そしてCosmos DB、SQL DB、Azure Data Lakeなどのデータサービスも活用できます。同じ認証基盤、継続的な連携により、シームレスな接続を可能とします。ローコードとコードファーストを活用し、統合的なソリューションを構築します。勿論GitHub、Azure DevOps、Visual Studio Codeもサポートするため、開発´、導入、実行の全体プロセスを一つのデータ格納領域として、シームレスに構築することができます。Azureを使う開発者でありながら、Power Platformを利用しないのは、背中に方手を縛られて開発されているようなものです。これはたとえ話ですが、そのくらい開発スピードに差がでます。
次に発表される方にお繋ぎする前に、日本の皆様に御礼を申し上げます。この場にわたくしをお招きいただき誠にありがとうございました。ここからはAsamiさんがPower Platformの導入活用事例をお話していきます。
チャールズさん、ありがとうございます!
後半はこの急激に変化する世の中において、Power Platformを活用して、課題を解決された事例が沢山ありますので、その中から一部ご紹介させていただきたいと思います。
昨今新型コロナウィルスの影響もありまして、私たち一人一人の生活や仕事の仕方、そしてビジネスそのものも大きな変化の局面を迎えています。こうした変化に対して柔軟かつスピーディーに対応するということが非常に重要になってきております。
こうした状況においては、Power Platformのようなローコードプラットフォーム、ローコードソリューションを活用することで非常に大きなメリットを得られると思います。特にPower PlatformはGUIでの操作を基本としてソリューション開発を進めていくことができますので、開発、そしてユーザーからのフォードバック、このサイクルを非常に高速で回しながら開発をすすめていくことが可能になります。そして前段チャールズからもお話がありましたけれども、既存のシステムに簡単にアクセスして、あるものはそのまま使ったうえで、新しいソリューションをのせていくようなこともできますので、作業効率というものが非常に高くになります。そしてそうやってスピーディーに開発されたソリューションをOSやデバイスを問わず、広く展開していくことができます。これも、一つのメリットかなと思います。
このようなPower Platformの利点を活かして、逼迫する医療現場を救うアプリケーションをわずか2週間で展開をされた東京都福祉保健局様の事例をご紹介したいと思います。東京都では新型コロナウィルスの軽症患者さんのために、ホテルなどの宿泊施設を確保して、軽症の方はそこで療養できるというような取り組みをされているのですが、そこで療養される患者様に対してそのアプリケーションを提供し、健康状態を把握することができるようなアプリケーションを展開されています。早速デモを通してご紹介したいと思います。
こちらが患者さんが使うスマートフォン向けアプリのデモ画面になります。今ブラウザの編集画面で開いているので早速再生をしていきます。
このようなアプリケーションから患者さんは、午前午後1日2回自分自身の体調をアプリケーション経由で報告することができるようになっています。
体温と血中酸素濃度を入力して、次に行きますと、
問診項目に回答できるようになっています。
本来であれば看護師さんが一人一人に対して問診を行う必要があるのですが、このようなアプリケーションを配布して患者さんが自らセルフサービスで報告できるような環境を整えることによって、問診をしなくてもデータが収集できるというような仕組みになっています。
このアプリの履歴のところからは自分自身の健康状態の履歴のみが閲覧できるようになっています。
では、次は看護師さん用のアプリをみていきたいと思います。看護師さんにはタブレット端末が払い出されていまして、患者さんのための代行入力と、自分自身が担当する患者さんの健康状態を閲覧することができるようになっています。
このように患者さんを選択して、一覧グラフというところを押しますと、
対象患者さんの健康状態の推移、そして詳細情報というのが一目で見られるようになっています。
このように集めたデータをどのように可視化しているかということで、続いてPower BIのレポートをご紹介したいと思います。こちらのレポートはレポートを未提出の患者さんに対して、すぐにレポートを提出してくださいねというコミュニケーションがとれるように、そういった目的でつくられたダッシュボードになっています。非常にシンプルですが、一目でまだ3名ほど未提出がいるというところがわかるようになつくりになっています。ではこのようなアプリケーション群の裏側、管理者用のアプリケーションをみていきたいと思います。
管理者用にはモデル駆動型アプリをつくっています。看護師さんですとか、宿泊施設、患者さんというマスタデータの編集が簡単にGUIから行えるようになっています。
そして、データの一括編集であったり、データのエクスポートも簡単に行えるようになっています。
今回は患者さんの個人情報を扱いますので、アクセスコントロールというところも非常に重要になっております。
このようにセキュリティーを担保したうえで、スピーディーに開発されたアプリケーションが、実際に医療現場で使われております。今回東京都様が作成されたこちらは、GitHub にて公開予定となっております。このようにPower Platformを用いてつくられたアプリケーションテンプレートをGitHub で公開していくと、みんなで使っていこうという流れはますます加速すると思っています。そういった中でもう一つ素晴らしい事例がございますので、吉田大貴さんにバトンタッチをして、吉田さんからご紹介していただきたいと思います。それでは、宜しくお願い致します。
平井さん、ありがとうございます。私からご紹介したいのは、神戸市様の例なのですが、
神戸市様では新型ウイルス対策の一環として、Power Platformのサービス、Power Apps、Power Automate、Power BI、Power Virtual Agentsを世界でも初めて全て活用された事例となります。本日は神戸市から伊藤様(↑下段左)、伊藤様をコミュニティー活動としてご支援されていた弊社パートナーであるソントレーゾの中村様(↑下段右)と、セカンドファクトリーの清水様(↑上段左)にご参加いただいております。今日はありがとうございます。
(吉田大貴)早速ですが、伊藤様、どのようなソリューションをつくられたのでしょうか?
(伊藤様)今回新型コロナウィルスへの対策として3つのソリューションを作成しました。1つ目が新型コロナウィルスの相談先、受診先を案内するチャットボットです。2つ目が新型コロナウィルス関連情報のダッシュボード。3つ目が特別定額給付金の申請情報を検索できるサイトです。
(吉田大貴)ありがとうございます。伊藤様は今回の取り組みで、初めてPower Platformをご利用いただいたということですけれども、利用された感想はいかがでしたでしょうか?
(伊藤様)はい。操作が凄く直感的で、初めて利用する私でも簡単に開発をできるプラットフォームだと思いました。
(吉田大貴)そうなんですね! ありがとうございます。実際にPower Platformで構築されて、神戸市様ではどのような効果が実際にあったのでしょうか?
(伊藤様)はい。例えば、特定定額給付金では、現在特設のコールセンターを神戸市では開設しているんですけど、そこには1日ピーク時に4万件の問い合わせがありました。今回そのサイトを公開することで、大体1日5万ページ以上の大変多くの方に利用されていまして、今では大体1日かかってくる問い合わせが、3000件程度ということで、コールセンター業務の効率化に大きくつながっています。
(吉田大貴)3万以上の件数が削減できたということですね。ありがとうございます。では、ここからご支援いただいた清水様へのご質問になるのですが、Power Platformで今まで沢山の方々に教えてきた中で、これからPower Platformをはじめようという初心者の方、伊藤様のように早くキャッチアップするコツとかアドバイスがあれば、是非教えていただきたいのですが。
(清水優吾)はい。一言でいうと毎日触ってほしいってことですね。最初ハードルはあるかとはおもうのですが。皆様既にお使いのWord、Excel、Officeと同じようにまず触ってみることで、まずおそらく詰まるとは思うんですね。こういうのどうしたらいいんだろうと。Microsoftさんのdocs.microsoft.com というサイトがきちんとありますし、それぞれのサービス、Power Platformの全て公式文書が揃っていますので、最初はまずちょっと触ってみて、公式のドキュメントを読んでみて、勉強して、試して、Try & Errorを繰り返すということ。それが一番近道ではないかと思います。
(吉田大貴)ありがとうございます。実際、伊藤様はどのような感じで今回進められたのでしょうか?
(伊藤様)先ほど言ったみたいに、凄く直感的にポータルとか構築できたのですが、本当につくりたいものをつくろうと思うと、直感的に作るのが難しくなって、ちゃんと体系立てられている、さっき清水さんがおっしゃったようなMicrosoftの公式ドキュメントとかをみて、自分のやりたいことはどうすればいいのかなという事を調べて、今回つくったようなサイトとか、その他のソリューションを作成することができました。
(吉田大貴)ありがとうございます。どのくらいの期間で実際に作成されたのでしょうか?
(伊藤様)3つのサービスを全て1か月以内でリリースすることができました。
(吉田大貴)いや、すごいですね。これ全部伊藤様がつくられたのですか?
(伊藤様)基本的には私がつくったのですけけれども、今回参加していただいている清水さん、中村さん、吉田さんのサポート、そして神戸市職員にも少し手を動かせる方もいますので、職員の手もかりつつ3つのサービスを1ヵ月でリリースすることができました。
(吉田大貴)ありがとうございます。それでは、この流れで今度は、ご支援されてる中村様への質問なのですが、今後、今回の伊藤様のように自分たちで業務効率化を行われる市民開発者の方々が日本で増えていくと思いますか?
(中村亮太)はい。そうですね。弊社でも市民開発者2名いまして、事務職のメンバー2名がPower Platformを使って、お客様にPower Platformのご支援をしております。当然社内のアプリもつくっていますけれども、やはりPower Platformは私が個人的に思うのは、紙の媒体として効率化を図られてきたWord、Excel、Power Pointの新しい形になるのではないか?と思っています。Word、Excel、Power Pointを勉強されたのと同じような感覚で今度はPower Platformでデジタル推進ですね。業務改善のデジタル推進が進められる形になると思いますので、そういったときには初めて市民開発者の方が爆発的に増えていくのではないかと思います。期待しております。
(吉田大貴)はい。ありがとうございます。そろそろお時間になってきました。本日は神戸市から伊藤様(↑下段左)、伊藤様をコミュニティー活動としてご支援されていた弊社パートナーであるソントレーゾの中村様(↑下段右)と、セカンドファクトリーの清水様(↑上段左)にご参加いただきました。ありがとうございました!
はい。皆様、素晴らしいお話を共有いただきありがとうございました。
清水さんと中村さんはMicrosoft MVPとしてもご活躍をされています。日本でも活発なPower Platformのユーザーグループがありますので皆さん、ご参加してみてください。
de:code 2020では、Power Platformの関連のセッションを10セッションご用意しております。是非皆さんご視聴いただいて、これからPower Platformを始める方も楽しんでいただければと思います。ご視聴いただきありがとうございました!
ここからはM365について。Jared氏と山崎さんから。
ジャレッド・スパタロウです。M365ビジネスを管理しています。本日はお招きいただきありがとうございます。今回はM365の概要をご紹介します。
未来を担う全ての開発者の為に設計されたプラットフォームです。まずは日本の皆様にご挨拶をさせてください。Covid-19のため、多くの方が新たなチャレンジとしてリモートワークをすることになりました。しかし、日本の皆様は、粘り強さと、工夫をこなして、この困難に対応しようとされています。本当に関心しています。自治体から病院、多国籍企業までがリモート環境でも仕事を進めようと、積極的にITツールを導入、活用しようとなさっています。そのような皆さんとこの場を共有できるというのは大変名誉なことだと感じております。共にこの危機を乗り越え、一緒に未来をつくっていきましょう!
今回ご紹介するM365は統合型でセキュアな生産性の高いソリューションです。”世界レベルの生産性クラウド”ということができるでしょう。単なるアプリケーションやサービスのセットではなく、このプラットフォームは仕事、生活、学習において生産性の高い環境をご提供するものです。
下図はサービスの構成を表わしています。下層にあるのは基盤ともいうべきMicrosoft Graphです。これはデータ/信号は入るコンテナで、個人とチームがどう働くかを記述しています。ウェブベースのFluid Frameworkでは、新しいアーキテクチャーを用い共同でアプリ開発を行います。WindowsやMacモバイル向けのアプリに加えて、クロスプラットフォームで実行できるウェブアプリも開発することができます。最後はMicrosoft Teamsです。これは、チャット、会議、通話、協働が1つのアプリで行えるツールです。これは新型コロナ禍においてリモートワークを可能にしますが、とても便利なツールです。Teamsは皆さんのアプリのベースとなります。テレビ会議中でも、その前後においても、連携機能を活用して、Officeアプリケーションを利用することができますし、その他のアプリケーションも便利に使う事ができます。実際に外部のアプリケーションをTeamsと統合した企業は、この数か月で3倍になりました。この図にあるようにプラットフォームとデバイスに依存しません。Microsoft 365 はお客様視点で設計されており、デバイスやOSに関係なく利用できます。
以上がプラットフォームの概要でした。
次はM365ビジネス本部長の山崎さんが、Buildで発表されたアナウンスについて詳しく解説をしていきます。お別れする前に、私から改めて皆様に心から御礼を申し上げます。日本の開発者の皆様とこのような時間がもてて幸せでした。Microsoftは我々だけでなく、開発者の皆さんと、未来をつくっていきたいと思っています。皆様の成長が楽しみです。
ジャレッドさん、ありがとうございました。皆さん、こんにちは。ただいまご紹介にあずかりましたMicrosoft 365ビジネス本部の山崎です。本日はお忙しい中、本セッションをご覧いただきまして大変ありがとうございます。ジャレッドが先にご説明させていただきましたとおり、Microsoftは開発者の皆様に向けたプラットフォームとしてのMicrosoft 365のビジョンをもっています。それにひもついた4つの開発領域を定めています。
まず1つ目はプラットフォームとしてのTeamsです。ビジネスチャットだけではない、Teamsの新しい姿です。そしてMicrosoft Graphは、Microsoft 365 のデータへアクセスするための入り口です。Microsoft 365、Windows、エンタープライズモビリティー、プラスセキュリティーの膨大なデータにアクセスするための統合プリグラミンモデルが提供されています。豊富なデータを利用して新しい独自のアプリを開発することができるMicrosoft Graphも強化領域となっています。Fluid Frameworkは、アプリケーションの間をシームレスなコラボレーションを実現するための新しいテクノロジーです。Microsoft はFluid Frameworkをオープンソース化し、主要なインフラストラクチャ―を開発者の皆様が開発したアプリケーションに使用できるように今後展開する予定です。そして最後にWindowsとなります。
今日はこの中でも特に皆様にお伝えしたい領域、TeamsとWindowsについて、Buildで発表された最新製品情報と共にご紹介をさせていただきます。
ご存じの通り、Microsoft 史上最速で成長しているTeamsは、昨年末に2000万人と発表していたDaily Active Userが、この5月には7500万人を超えました。Teamsを使って行われるウェブ会議は、3月と4月での比較でも倍増しており、ジャレッドも説明していましたが、外部のアプリケーション、業務アプリケーションを組み込んで、Teamsをプラットフォームとしてご利用いただいているお客様が、ここ2ヵ月の間に3倍にもなってきております。そんなTeamsを活用いただくべく、開発者の皆様にも非常に多くの発表がなされました。
Teamsは我々Microsoft 製品との連携が強化されていきます。Power Platformとの連携では、簡単にBotをつくれるサービスのTeamsアプリ版がリリースされます。Power Virtual AgentsによりTeamsに、Botが組み込めるようになります。Power Automateを使ったRPAが、簡単に実装できるようになります。
そしてVisual Studio での開発環境が、更に充実します。Visual Studio 、Visual Studio Codeとともに、Teams用の開発環境が提供されます。これにより一連の開発の流れが格段に効率化されていきます。そしてTeamsの各種データにアクセスできるTeams Graph API 1.0がリリースされます。これによりTeamsから取得するデータを皆さんのアプリで利用することができます。Teamsがリリースされた当時は、チャットツールでしたが、本格的に開発をされる方へ向けた機能リリースを進めており、コミュニケーションや業務プラットフォームとしての位置づけを確立しつつあります。是非Teamsを皆さんのアプリ開発のプラットフォームとしてご検討いただければと思います。
次にWindowsです。Windows 10の月間アクティブデバイスは、この度10億台を突破し、更に更に我々のお客様がWindows 10上で費やしている時間は昨年度に比べ75%増加しています。開発者の皆様が多種多様な素晴らしいWindows 10アプリを開発できる環境を提供することが私たちMicrosoft の強い思いです。
そのための大きなステップとして我々が位置づけているのが、Projection Reunionです。このテクノロジーにより10億台のWindows 10デバイスと、アプリの開発プラットフォームを統合します。具体的にはWin32とUWPのアプリのAPIをWindows OSから切り離し、Windows 10 の全てのバージョンとデバイスで動作するアプリを簡単に開発できる環境を提供する予定です。まずはWindowsのネイティブUIフレームワークであるWinUI3.0 Preview 1の提供を開始します。そしてMicrosoft Edge WebView 2を拡張、Previewの提供を行っていく予定です。
そのほかにも、Windows Terminal 1.0、Windows Subsystem For Linux、Window Package Managerのプレビュー版も提供されていますので、ご興味のある方は、是非Microsoft 本社のTech Community サイトにアクセスしていただければと思います。
Microsoft 365は皆さんが開発する画期的で素晴らしいアプリケーションや、サービスにシームレスにつながり、更に強化されたプラットフォームとして進化していきます。是非今回リリースされた製品技術の活用と組み込みをご検討いただければと思います。
そして、次に我々のお客様熊本市様の素晴らしい取り組みをご紹介させていただこうと思います。熊本市様は熊本地震の復興に際してリモート環境を導入されたことをきっかけに現在もTeamsを中心にMicrosoft 365をご活用いただいております。
では、早速Teamsでつないでみたいと思います。
(山崎本部長)本日は熊本市長様であられます大西様にお越しいただきまして、熊本市で現在取り組まれていること、それから将来に向かって取り組まれていることについてお話をお伺いする予定です。
昨今自治体の皆様、市民の皆様、大変な状況の中お時間をいただいおりまして、まさに新しい自治の形を目指されている熊本市の取り組みについてお時間をいただければと思っております。では、大西様早速ですけれども宜しくお願い致します。
是非簡単に自己紹介と熊本市がまさに重点的に取り組まれている内容ですとか、そういったところからお話をいただければと思います。宜しくお願い致します。
(大西熊本市長)熊本市長の大西一史です。どうぞ宜しくお願い致します。ご存じの通り熊本市は九州のちょうど中心に位置する都市でございますけれども、20番目の政令指定都市として、今約74万人の人口規模の都市でございます。ただ2016年4月に熊本地震が襲いまして、それから復旧復興というものを進めてきたわけなのですが、その過程の中で避難所のいろいろな物資や、避難所との連絡、こういったものを円滑にするために、実はMicrosoftさんから大変ご協力をいただいて、タブレット端末を寄贈していただいて、システムもお貸しいただいて、熊本地震をきっかけきに、このリモート環境をいやおうなしにやらざるをえない状況になったということだったのです。それがあったことによって、これはもっと市政の中で使っていこうと。こういう環境を災害が起こっても、またあるいは何か突発的なことがおこっても対応できるような情報の体制をとっていこう、あるいは役所としての体制をとっていこうということでプロジェクトをスタートさせました。ちょうど2年前になりますが、当時の平野社長と共同で記者会見をさせていただいて、連携をその時にくんで、熊本市としては全庁的にこのMicrosoft 365を導入して、そして働き方改革を進めていこう、そういうことでこれまで取り組んでまいりました。
(山崎本部長)ありがとうございます。Microsoft 365の中でも特にTeamsをご活用いただいていると思うのですけれども、具体的には市政の中で、勿論庁舎の中も含めてですけれども、どういったポイントでTeamsをご活用いただいておりますでしょうか?是非市長ご本人としてもここで使っているということがあればお話いただきたいのですが、
(大西熊本市長)実はこの365を導入して、そしてTeamsも含めていろいろなものが使える環境にあったわけなのですが、なかなか導入をしてからそれをみんなが使いこなすまでには、まだまだ時間がかかっていたのです。Teams自体をみんなが使い始めたのは、新型コロナウィルスの危機に直面し、みんなが対面でやっぱり会話ができない、あるいは密にならないような会話をしなければならない、こういうときにこれはもっと在宅ワークも含めて進めていこうっていうことを今年の2月から実はそうしたリモートワークをもっと進めていこうということでTeamsを使い始めたのです。
ところがいろいろな規制をかけていたものですから、なかなか使いにくいな、やっぱりレギュレーションは、もう少し自由にして多くの職員がまずは使ってみて、それから不都合なところは少し制御をしながらルールをつくりながら、やっていけば、いいんじゃないかということで少し緩和しましたので、最初は新型コロナの対応があってもずいぶん多くの職員が出てきたりすることが多かったんですけれども、それを解除してからは徐々に最初は数十人だった職員が数百人、そして最終的には3000人近い規模の職員が在宅ワークを現在に至るまで活用することができています。
これはやっぱりTeamsが非常に、使ってみると、意外にこんなに簡単にできたのかというのが、我々の驚きだった。しかも、デバイスが今使っているノーとパソコンであったり、タブレットであったり、携帯スマートフォンであったりこういったものでみんなが自在にアクセスできるということがあったものですから、しかもセキュアな環境で会話が成立するということ、非常にこれは今回のコロナウィルスへの対応ということもありましたが、私たちの働き方を見直すという上でも非常に大きなツールになったなというふうにいま感じているところです。
(山崎本部長)ありがとうございます。災害対策で以前ご利用いただいていた時と、今回のコロナウィルスで先ほどのように職員の方が登庁してあまり密であってはいけないというお話があったと思うのですが、以前と今回のコロナウィルス対策ではそういった取り組み、特にTeamsの使い方という点で大分かわられたということでしょうか?
(大西熊本市長)そうですね。以前災害対策のときは、ウェブでいろいろな会議をやったり、例えばいろいろな庁議であるとか、例えば重要な政策を決めるような会議の時に、区長さんとか、病院局の局長、上下水道の局長とか、要はこの本庁内にいない方もそとからこのTeamsに参加して会議をやったりということはできていたのですが、それを更にグループ、例えば保健所のグループが今回このTeamsを使って、相当感染症の対策で、特に新型ウイルスに感染した方のいろいろな情報であるとか、いろいろとやりとりをする上では、非常にそういう気を使う部分があって、センシティブな情報を沢山扱うものですから、こういう環境が非常にありがたかったということ。それから災害の時と違って、みんななかなか動けないし、例えば自宅で待機していても、あるいは自分が熱があるとき、調子がわるいときでも参加できる環境がととのったわけですから、割と気軽にTeamsを使おうというか、自然発生的に各グループができていった感じです。私の知らないところで、いろいろなグループがでてきて、突然ポーンポーンって呼ばれて参加するということもありました。私自身も実は4月6日にリモートワークを始めますということを市民の皆様に宣言をしました。
これ記者さんとの記者会見も実はこのTeamsでやりまして、ぶらさがりっていう取材対応もTeamsでやりました。使い方が実は日常でやっていることをこのTeamsで置き換えてしまおうということで、随分いろんなことを試すことができたというのは非常に大きな事だったのではないかというふうに思っています。
(山崎本部長)ありがとうございます。やっぱり民間企業の皆様もどこから手をつけるのか、どこまでやっていいのかっていうところを非常に試行錯誤されてやっているので、自治体でもさらに先ほどお話にあったレギュレーションがある中取り組まれてるっていうのは、非常に素晴らしい取り組みだと思います。ありがとうございます。我々のツールを日々ご活用いただいているのですれども、是非こちらで、我々Microsoft に対して、是非こういうことをもっと支援してほしいとか、Microsoftにサポートしてほしいという事があれば、ご意見伺えればと思います。
(大西熊本市長)今回一つは我々こういうMicrosoft 365の製品をまだ使いこなせていないとおもうんですね。はっきりいえば。使いこなすためのMicrosoft社内ではこういうふうに使っているので、こういう形でできますよということを、どんどん、どんどん具体的な教えてただきたくと非常に我々も、これに使えるなっていう新たな気づきが出て、活用についてはまだまだ情報担当部門のほうが、割とこれは使えますよと環境は整えたものの、それぞれの担当セクションのほうではそういうことに使えると思っていなくて、そういう認識のギャップがあるので、そういったところを割と分かりやすく、例えばそういう動画であるとかで教えていただくこともあるでしょうし、こうやってちょっとリモート環境で、こんな使い方したらいいですよっていうアドバイスをしていただける機会があると、これは非常にいいんじゃないかと思います。
(山崎本部長)ありがとうございます。是非我々も継続的にご支援させていただきたいと思っております。まさにMicrosoft、熊本市をはじめとして自治体の皆様は勿論ですが、法人のお客様ですとか、今教育機関の皆様ですね、小中学校、それから高校、大学といったところにITで何が支援できるかといったところも我々今頑張って取り組んでいる最中です。勿論コロナウィルスで大変な環境ではございますけれども、これが収束した後でもまた今後起こりえる災害ですとか、何年か後にまたこういったことがあっても、まさに新しい一歩を踏み出して、皆様の日々の、市民の皆様の日常は勿論ですけれども、経済活動を含めて、より日本という国がしなやかにより強くなるように是非ご支援を差し上げられると思っておりますので、是非ご活用いただきながら、是非またこういったアドバイスもいただければと思います。ありがとうございます。以上、本日は大西市長のほうからお話をいただきました。是非この後のセッションも日引き続きお楽しみいただければと思います。宜しくお願い致します。
次は河野省二CSOから。
皆さん、こんにちは。日本マイクロソフトでチーフセキュリティーオフィサーをしております河野です。本日はde:code2020をご視聴いただきありがとうございます!オンラインで皆さんにご覧いただくということで、普段お時間の合わない方とか、普段遠隔地でご参加いただけない方にもご視聴いただいているということで非常に嬉しく思っております。
さて、私のセッションではマイクロソフトがセキュリティーのオーバービューについてお話をしていきたいと思います。私のお話をきいていただいて、セキュリティーのさまざまなブレイクアウトセッション、皆さんご興味がありましたら、是非ご視聴いただきたいなというふうに思っています。
では、最初にセキュリティーマネージメントの課題から整理をしていきたいと思います。CISOの皆様といろいろなお話をしていると、セキュリティーの課題、なかなか払拭できないんだよねというお声をきくんですよね。まず人材不足です。もう人が足りない。育成するのも難しいし、人を採用するのも難しいと。そしてもう一つは、ドンドン出てくる新しい攻撃にどのように対応していくのか、どのように知識をえるのか、そしてその知識をどう社内に活かしていくのか、これについても凄く悩まれているってことなんですよね。こういったさまざまな課題をどうやって解決していこうかということです。
まず一つ目の課題は今もお話をしましたが、新しい攻撃がどんどん増えてくるということなんですよね。ずっとずっと対策をしてもどんどんどんどん増えてきてしまう。じゃあ、今度はその対策をするために、皆さんは対策ソリューションを沢山かっていくということなんです。これをどんどん買うコストもそうですけれども、それを運用していくコスト、勿論人を雇わなくちゃいけないとか、人を育成しなくちゃいけないとか、その使い方覚えなくちゃいけないなんてこともありますよね。そしてもう一つがこうしたことによる管理の複雑化なんです。皆さんがそのセキュリティーを管理していく中で沢山のソリューションがあります。例えば、日本国内ではだいたい40種類以上のソリューションを導入しているっていいうふうにいわれているんですよね。そう考えていくと、この40種類以上のソリューションを皆さんまとめあげていかなくてはならないってことなんです。じゃあ、そのために何をしていくかというと、皆さんはSIEM(シーム)を導入しようということをやっているんですよね。様々なログを集めて、これを分析するためにSIEMを導入する。でも、そのSIEMに集めるデータの量が多すぎて、実はSIEMでも対応ができなくなっているということなんですよね。分析に凄く時間がかかっているということなのです。もう一つ。本来のインシデントレスポンスっていうのは時間をできる限り、短くしたいわけですよね。皆さんはまずその時間を短くするために何をするかというと、素早い検知、そして素早い分析をしていきたいわけです。何が原因なのか知りたいんですよね。こういうことをやるためにSIEM入れたにも関わらず、分析に時間がかかる。そして分析に時間がかかることによって、対応時間がどんどんどんどん短くなってきてしまうという課題があるわけです。こういったものをどう解決していくか、これが今日の課題になってきます。
そのためのキーワード、それがSecurity Postureです。このPostureという言葉、非常に難しいというふうに思うかもしれません。いい日本語訳がないんですよね。この日本語訳、ちょっと分かりやすく、訳せているわけではないんですけれども、皆さんにお伝えしたいと思います。Postureっていうのは、その姿勢なんですよね。例えば、皆さんが今在宅ワークをしているときにどうも腰が痛いとか、肩が痛いとか、そういうことがあるかもしれません。それは座り方が悪かったり、キーボードを構える角度みたいなものが悪かったりするかもしれませんけれども、そういったものを皆さんなおすために、良い椅子をかったり、例えばキーボードの位置をかえたり、手の当たる場所をかえるためのそーいったアームレストみたいなものを導入しているかもしれませんよね。でも、それによって皆さんの姿勢が改善され、腰への負担がすくなくなった。肩への負担が少なくなったというのがあるかもしれません。実はこのSecurity Postureもそういうことなんです。皆さんがそのセキュリティーへの姿勢をよくすることによって、小さなトラブルを大きなトラブルに発展させないようにするということなんです。
じゃぁ、このSecurity Postureを実現するためにはどうしたらいいか?ここで2つの局面を考えていただきたいなというふうに思っています。1つ目、これはまず脆弱性のない環境をつくるというものです。どんな攻撃がきても動じないようなIT環境をつくっていくということで、まず皆さんは何をしなくてはいけないか。皆さんはまずその状態の把握をしていかなくてはなりません。資産がどこにあって、それがどういう状態にあり、それが脆弱性がない状態になっているかどうかを把握しなくちゃいけないんです。この把握をするためには、デジタルトランスフォーメーションが有効です。皆さんは様々な資産をデジタル化することによって、そのデジタル化された状態、情報資産とかの状態を瞬時に把握することができるようになります。デジタルトランスフォーメーションのいいところは計算がはやい、把握がはやいということなんですね。これによってデジタルガバナンス、デジタル資産の把握をしながら、その状態を皆さんが集約できるというような環境をつくることができます。そうすれば、どこに脆弱性があるかわかります。ですから、この脆弱性がない状態をつくっていけば、攻撃されても大丈夫、もしくは攻撃されても大きな被害にならないってことなんです。こういう姿勢をよくして健康状態をたもっていくこと、これをサイバーハイジーンという風にいっています。ハイジーンを衛生と訳すこともありますけども、これは脆弱性がない状態をつくるってことなんだなとご理解いただければなというふうに思います。そして、万が一皆さんが事故に遭われるとき、これインシデントレスポンスをしていかなくちゃいけません。このインシデントレスポンス、事故が発覚してから一生懸命対応しても、時間がかかってしまいます。ですから、できれば予兆管理がしたいですよね。そして事前対応がしたいんです。そうすると、どんな事故が起きるのかということを皆さんは事前に入手するということが重要になります。自分たちの環境から得られる情報だけをみて、事故対応をしようとすると、なかなかうまくいきません。けれども、皆さんが一番最初の攻撃に遭うっていうのはなかなか難しいことなんです。ですから、皆さんは、どこかでおきた事故の、そういった対応の顛末を手に入れて、それを自分たちにも活用していく。できれば、どういう脆弱性が、どのように狙われたかってことを理解することによって、その脆弱性が自分たちのところにあるのであれば、そういった事前対応をすることができますよね。こういった様々な脅威情報とか、対応情報とかが入っている情報のことをインテリジェンスといいます。皆様の状況でわかることをインサイト、そして外部を巻き込んだ、これをインテリジェンスというふうに言っています。このインテリジェンスを活用することで、皆さんは予兆管理、事前対応ができます。そして、多くのセキュリティオペレーションというのは繰り返しなんですね。さまざまなことが起きた、こうやって対応する、こういうふうにしてまた再発防止をするってことをやっています。となれば、先ほどもお伝えした通り、どこかの組織がやってくれているのであれば、その手順をもらって自分たちはやる。自分たちが経験したことも自動化をすることによって、人間の負担をどんどん減らしていくと、このようにインシデント管理の軽量化というのができれば皆さんのお役にたつことができるのではないだろうかなというふうに思いますよね。どんな攻撃があっても皆さん自身は大丈夫という環境をつくっていきたいということです。マイクロソフトではこのような状況をIDベースのゼロトラスト、そしてModern SOCという形でご提供していきます。こういったキーワードがあるブレイクアウトセッションを是非ご覧いただきながら、もっと理解を深めていただきたいなというふうに思います。そして、それが開発環境におけるDevSecOpsにも役立つんですよね。むしろこれが前提条件だといってもいいかもしれません。ですから、開発者の皆さんも是非これをご理解いただきたいなというふうに思います。
さて、それではここからは先日行われましたBuild 2020で発表されたセキュリティのトピックについてお話をしていきたいと思います。今皆さんがこういったSecurity PostureのCSPMの環境をつくっていくためにお役にたつ情報ってことになります。
まず1つ目は、Azure AD External Identitiesというものになります。FacebookなどのSNSアカウントを使って、Microsoftのサービスや、またMicrosoftの環境でつくったサービス、またその他サービスをつかっていくことができるようなとても便利なものです。今まで皆さんAzure AD B2Cとか、B2Bで構築されてきたものを集約して使えるような環境になっていきます。
そして、もう一つがMicrosoft Security Scoreの拡張、そしてAPIの導入ということになっていきます。従来からMicrosoft 365では皆さんのセキュリティの状態を知るためのSecurity Scoreというものがありました。勿論Azureの環境でも2019年から提供させていただいているんですけれども、今回はこれがAPI化されることになって、より開発現場、そしてより皆さんが従来からお使いになられている環境でも組み込みやすいような仕組みができましたよということなんですよね。Microsoft Security Scoreについてご存じでない方のために、簡単なご説明をしたいとおもいますけれども、Microsoft Security Scoreには2つの側面があります。1つは最低限必要なセキュリティー対策、例えば、Multi-Factor Authenticationとか、例えば管理ポートを制限するだとか、通信の暗号化をするとか、保存データの暗号化をするとか、さまざまな要件があります。こういったことをちゃんとやっているかどかということを確認できる、そういったような機能があります。もう1つは例えば皆さんが立てた目標にしたいして、どこまで成熟度が高まっているかってことを判断することもできるんですね。皆さんがセキュリティー計画を立てていく中で、どのように形でこれを達成していくかというようなマイルストーンを立てたり、その目標を達成していることを組織に報告するといったことにも役立つかもしれません。
そして、今回の新機能ということなんですけれども、こちらの図をみていただきたいと思います。APIなんですよね。皆さんがMicrosoft 365の中ではGraph APIというものを使っていただいてると思いますけれども、このSecurity に特化したものを、Graph Security APIというふうにいっています。そしてAzureもAzure Security CenterのSecurity Scoreを皆さんの環境で使えるようなAPIを提供させていただくことになりました。これによりまして、皆さんの環境でSecurity Scoreを使った様々なサービスをつくっていただいたり、マネージドサービスにこれを活かしていただたりということができるようになりました。
勿論APIを使わなくても、従来よりご提供してまいりましたAzure Sentinelもございます。Microsoft 365の環境とAzureの環境、そしてその他のSaaS、これからのIoTさまざまな環境を一元化して分析を迅速におこなうためのSentinelというものをご提供しておりますので、こちらも合わせてご活用いただきたいなというふうに思います。
こういったAPI活用、そしてSentinelのようなクラウドネイティブのSIEMなどを先進的に活用しまして、非常に広いガバナンスをとっていきたいというふうに考えているお客様が最近ふえているんですよね。というのもサプライチェーンの課題があったり、組織の吸収合併であるとか、買収であるだとか、そういう環境の変化というものに対応していきたいというご要望があるからです。
そういった先進的な取り組みをされているお客様の中で1つ事例をご紹介させていただきたいと思います。みからホールディングス様の事例ビデオをご覧ください。
みらかホールディングス様の動画をご覧いただきました。ビジネスの拡大に伴うITインフラの変化に伴って、将来にそなえた環境構築をおこなっていきたいというご要望から、まずはMicrosoft 365 E5をご選択いただきました。また、このE5の環境をさらにAzureや、他のクラウド、そしてIoTなどのところにも広げたい、そしてサプライチェーンにも広げていきたいということで、今回Sentinelの導入もご検討いただいたということなんです。こういったAzure Sentinelとか、さまざまなAPIを使って、自社サービスを構築していく、そのようなパートナー様が、Microsoft には多数おられます。そして、こうした先進的な取り組みをするときに、その先進的な取り組みをしたいというユーザー企業の皆様をサポートしていくようなサービスをご提供していただいているパートナー様が沢山いらっしゃいます。それをMicrosoft Digital Trust Security Allianceという形で今回ご紹介させていただきました。
ロゴが出ている会社の皆様、そしてこれから新規にご参入される会社の皆様、今回この動画をみていただきました皆さんが、自分たちもこういったことをやってみたいというアイデアをもたれたということであれば是非こちらのアライアンスにご参加をいただきたいなというふうに思っているところでございます。これからもMicrosoft のカバレージを広げながら、皆さんをご支援していきたいなというふうに思います。
さて、短い時間ではありましたが、de:code のセキュリティブレイクアウトセッションをより一層楽しんでいただくための下準備はできましたでしょうか?非常に短い時間ではありましたが、皆さんにMicrosoftが考えるセッションのオーバービュー、そしてこれからのSecurity Postureというキーワードを理解していただくための基礎知識というものを皆様にご提供させていただいたつもりでございます。是非、これを踏まえてその他のde:codeのセッションもお楽しみいただけたらなというふうに思っております。ご視聴どうもありがとうございました。
最後のセッションは、久しぶりですね。Don Box氏の登場です!
こんにちは。ドンボックスと申します。私はマイクロソフトのテクニカルフェロー、Mixed Reality(複合現実)の技術担当です。開発者の皆様にセッションを行うのは大好きです。開発者の皆様は、我々のプラットフォームや製品を使い、マジックのような素晴らしいものをうみだしてくれていますからね。
早速、私のチームがやっている仕事をご紹介しますね。我々Mixed Realityチームが行うのは、Mixed Realityですが、その概念自体は複雑なものではなくシンプルなものです。皆様がこの世に生をなして経験されてきた物理的な現実世界と、ITやコンピューターが創り上げるデジタルな世界の融合です。つまり、情報自体に視覚情報や、音声情報を加えたデジタル世界の現実と、物理的な世界とを組み合わせてMixed Reality(複合現実)をつくるのです。具体的ではなく、抽象的な表現のように思われるかもしれませんが、実際には体験、デバイス、クラウドサービスなどの様々な開発を融合して複合現実をつくっていきます。例えばクラウドではAzureをつかって、複合現実を創り出しています。その一つが、Azure Spatial Anchors (ASA)です。これは時空を超えて、異なるデバイスから座標を共有できる仕組みです。ASAによって、異なる複数のデバイスで高精度で永続的に座標に対して情報をプロットしたり、情報を検出したりすることができます。ASAは、数週間前の2020年5月に一般公開されていますので、皆さんはSDKをダウンロードして活用することができるようになっています。ipnone、AndroidのARCoreやHoloLens2から実行することができるようになっています。もう一つのMixed Reality(複合現実)のサービスは、Azure Remote Rendering(ARR)です。こちらを活用すると別の課題を解決することができます。ASAは異なる複数のデバイスで巨大な座標の仕組みをつくれるのですが、ARRはスケールの大きな高精度のコンテンツを取得することができます。あらゆる視点や、異なる角度からリアルタイムにレンダリング(画像、音声、映像などを生成)することが可能となります。通常のデバイスではつくりあげることが不可能な複雑でリッチなコンテンツモデルを手元にあるアプリケーションに生成することができるのです。どのような複雑なモデルも生成することができますし、Microsoft では日々ARRの容量をどんどん増やし続けています。クラウドにデータを転送すると、デバイスにフレームが配信されるのです。するとアプリケーション側が、過去のデータも合わせて生成し、本当に制度の高い、優秀なコンテンツを生成することができます。ASAは既に公開になっていますし、ARRは現在プレビュー版が利用可能な状況です。両方ともSDKが入手可能なので、ダウンロードしていろいろとトライしてみてください。以上がクラウド側です。
次はデバイスについてお話をしますね。今私が身に着けているHoloLens2を最近リリースしました。洗練され、新しく、今のところ最強のデバイスだと自負しています。非常に高性能で他社には真似できない無二の存在です。初代のHoloLensをご利用いただいていた方には、このHoloLens2の新化を強く体感いただけると思います。非常に快適で、時を忘れて集中してしまうことでしょう。HoloLens2は来月、2020年の7月よりMicrosoft Storeでの販売が開始されます。ご購入を希望される方は、hololens.comにアクセスしてください。
最後にご紹介したいのは、現在リモート会議が沢山行われている状況(このセッションもリモートですよね)に最適だと思いますが、AltspaceVRという弊社が体感(エクスペリエンス)を提供するものです。思いっきり没入感のあるVRの体験が全てのヘッドマウントディスプレイでできるものです。このAltspaceVRの面白いところは、複数の多くの方々と、物理的に異なる場所にいながらも、空間や世界観を共に体感しながら共有できることです。ZoomやMicrosoft Teamsと比べて、AltspaceVRは空間を体感できるというところが根本的に違います。そこ(VR空間)で複数の人々とコミュニケーションをとることができるんです。この体感はAltspaceVRでしか味合う事はできません。2Dのスクリーンで行う会議とは格が違うんです!皆さんは私がこうやって話をしているのを画面越しに体感してくださっているでしょうが、距離を感じますよね?!AltspaceVRは会議開催用のアプリケーションとは異なります。これはフォーマルなダンスパーティー、卒業式、出産前のお祝い(ベビーシャワー)も開催することができます。当社でもMixed Reality Dev Daysという開発者向けのイベントで数週間前に利用しました。素晴らしすぎてたまらないので、皆さんも是非AltspaceVRをTryしてみてくださいね。我々はこういったことをチームで取り組んでいます。最後に、特にHoloMagicianな皆様にお礼を申し上げます!皆さんのご努力のおかげで全てが順調に進捗しています。ご清聴いただきありがとうございました。
以上で、キーノートは終わり。パンデミック対応がコアのキーノートでした。日本の事例もなかなか素晴らしいですね。では米国で開催されたイベントではどのようにパンデミック対応が表現されたか?を知りたい方はこちら↓をご覧ください。
また、de:codeの基調講演にDynamics365が、残念ながらほぼ登場せず、セッションでもDynamics 365 フィルターで検索ができないことから、Dynamics 365 にご興味がある方は、同イベント内のビジネスアプリケーション(Power Platform / HoloLens)に関連するブレイクアウトセッションをご覧になるといいかと思います。
↓de:code 2020 Schedule by Power BI↓
Dynamics 365 Finance and Supply Chainについて、最近の情報を確認されたい方は↓
→ビジネスアプリケーションサミット‐Dynamics 365 Finance and Supply Chain編←
Dynamics 365 Business Centralについて、最近の情報を確認されたい方は↓
→ビジネスアプリケーションサミット‐Dynamics 365 Business Central編↞
→Dynamics 365 Business Central Virtual Event ←
その他の製品/サービスに関して確認されたい方は↓
→Dynamicsなビジネスアプリケーションサミットの歩き方編↞
をご利用いただければと思います。
それでは、本日はこのくらいで。Let’s Go Mooooooore Dynamics and Power Platform !!